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災害時のデジタルサイネージ一体型飲料自販機の活用実験を開始

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地デジとネットを併用して飲料自販機から緊急情報を配信

デジタルサイネージ一体型飲料自販機

大日本印刷(以下:DNP)は、地上デジタル放送(地デジ)とインターネット回線を併用して、飲料用自動販売機に搭載したデジタルサイネージから緊急情報を配信する実証実験を開始します。

本年6月にDNPとダイドードリンコ、日本テレビ放送網が共同で、地デジとインターネットの双方に対応したデジタルサイネージ一体型飲料自販機を業界で初めて開発しました。今回、この機器と情報配信システムの本格運用に向けた実証的な確認を行うため、10月25日~2月末の期間、産業技術大学院大学にこのデジタルサイネージ一体型自販機を設置して、各種実験を実施します。

災害対応時におけるデジタルサイネージの必要性について

インターネット回線を利用するデジタルサイネージは、時間帯やエリアに合わせて最適な情報を配信できる特長などが評価され、交通機関・店舗・大学などの多様な環境で数多く利用されています。災害発生時に、こうしたデジタルサイネージからテレビやラジオなどが提供する緊急ニュースを提供できれば、外出中の生活者を安全に誘導することもでき、これらの重要情報を的確に提供できる体制が強く求められています。

しかし、自然災害や大規模なシステム障害などが発生した場合、電力の供給停止やインターネット回線の遮断などにより、デジタルサイネージに適切な災害情報配信を速やかに提供できなくなる懸念があります。また、災害用に新たに屋外に多数のデジタルサイネージを設置し、維持・運営するためのコストは膨大で、電力供給の停止などの状況を想定した場合、既存のデジタルサイネージのシステムでは対応が困難と考えられています。

そこで今回、DNP、ダイドードリンコ、日本テレビの3社は、すでに屋内外に多数設置されている、生活者にとって身近な飲料自販機に着目し、非常時には緊急情報を発信するデジタルサイネージとして活用することとしました。

一部の飲料自販機には非常用バッテリーが搭載されており、停電時でも一定時間運転を継続することができます。また、比較的人通りの多い場所に設置される自販機に、地上デジタル用アンテナと情報表示用ディスプレーを設置することにより、機器の投資負担を軽減するとともに、非常時における緊急情報の発信拠点とする地域貢献的な役割をも担わせる構想です。平常時には商品情報やイベント情報などを設置場所の状況に応じて発信することとし、平常時・非常時ともに有効な新しいタイプのデジタルサイネージにしていきます。

実証実験の概要

実施期間と場所
2011年10月25日~2012年2月29日、産業技術大学院大学(品川区)

配信情報

  • 地デジコンテンツ
    ニュース、天気予報、各種注意報・警報、地震速報、津波速報、電車運行情報など。
  • インターネットコンテンツ
    大学内情報、ダイドードリンコの商品広告など。

主な検証内容
機器の稼動状況をはじめとして、飲料自販機を情報メディアとして利用した場合の有用性やコンテンツへの注目度など以下の調査を行い、実用化に向けた検証・評価を行います。

  • 利用者の動線調査 :レーザーセンサーで、当機器設置前後における利用者の動線を調査。情報配信時と配信していない時のそれぞれの利用者の滞留時間や飲料の売上状況の変化などを検証。
  • コンテンツ視聴調査 :注目度が高い、または低いコンテンツの調査。コンテンツ表示の安定性などを検証。
  • 機器稼動調査 :長時間連続稼動時の安定性や、停電を想定して電源をバッテリーに切り替えた際の稼動状況などを検証。

今後の展開

DNPは、これまで展開してきた多様なデジタルサイネージソリューションと、この災害対応の地デジコンテンツとの連携を図るとともに、今後、企業・団体・大学などに向けて当機器の積極的な設置を推進し、2012年4月からの本格稼動を目指します。また、DNPは当機器を、10月19日(水)~21日(金)に東京ビッグサイトで開催される「危機管理産業展(RISCON TOKYO)2011」のダイドードリンコのブースに出展します。