僕が実施案を考える上で、気になっているモノやコトをネタにお話を展開しています。前回は、ブランドにとっての「ファン」の重要性について言及しました。今回は「これからのブランディング」という観点から、ファンを育てるコミュニケーションについて、考えを発展させていきたいと思います。
境界線は、愛着がある/なし
前回、僕は、ファンとは「ブランドへの関与度が高い個人投資家」だと定義しました。「ファン」と「一般顧客」の境界線は「ブランドに愛着がある/なし」という辺りに引かれるイメージです(⇒下図参照)。従って、ファンの育成とは「一般顧客のブランドに対する愛着を深め、継続的な投資ならびにポジティブなクチコミを促す」ということになります。大ざっぱな説明ですが、考え方のスジをカンタンにおさらいすると、こういうことになります。
さて、今回の本題は、この目的をかなえる顧客育成スキームの探索です。顧客育成の取組みはCRMが担うべき役割だと言われています。
しかし、今日多くの仕組がそうであるように既存のCRMもまた、時代とのギャップを埋める補修工事が必要な時期に来ていると思います。ひと昔前のCRMは (購入単価)×(頻度)=(顧客ロイヤリティ)という大胆な理屈で運用されていました。この理屈でいくと「ファン ≒ たくさん買ってくれる顧客」「ファンの育成 ≒ 顧客にたくさん買わせること」という短絡的な解釈になりかねません。