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お母さんたちが電気について本音トーク「うちエコ診断」体験座談会(1)

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7月の電力需要が、前年比6.3%減少していることが、電気事業連合会の発表で明らかになった 特に前年と比べて需要が減ったのは家庭・商店を対象とする電灯・電力で、13.0%も減少した。7月は猛暑が続いたことから、この大幅な需要の減少は人々の電気に対する意識の変化を示しているようだ。

省エネに無関心な人にも関心を持ってもらう入口として最適

環境人間

うちエコ診断の結果と対策メニューを手にした座談会の参加者たち
(取材協力:NPO 法人アクト川崎)

地域の気候や家庭のライフスタイルに合わせて無理なく省エネできる環境省の「うちエコ診断」を、省エネに取組みたいお母さんたちに受診してもらった。診断後の座談会では、家庭の「省エネ」の課題から放射能から子どもたちを守ること、そして国のエネルギー供給システムや情報開示のあり方にまで話が及んだ。SNSでネットワーク化し、積極的に学び、活発に情報を発信しあい、政治に働きかけはじめたお母さんたちは「うちエコ診断」をどう見ているのか、期待される効果や課題が浮かび上がってきた。

診断を受けるからには時間がかかっても詳細に知りたい

――年間光熱費などを記入する事前アンケートに答えた感想はいかがでしょうか。
中能:事前アンケートは意外と簡単で、今日来てみたらすごく詳しい診断だとわかりました。最初から実際の診断並みの情報量を入力するってなると受診するハードルが高くなってしまうので、最初のステップが簡単なのはすごくいいと思います。

中島:もう少し事前アンケートが詳しくてもいいかなと思いました。実際の診断ではテレビの消費電力とかも聞かれるので、わからないと正確な診断にならないので。

井寺:もっと詳しく知りたい人には家電製品の消費電力まで詳しく入力して、もう少し個別に詳しくわかるバージョンもあるといいですね。

中山:どうせ時間をかけてやるからには自宅に来てもらう訪問診断のほうがおススメですね。

1人ではできないことも人と話すことでやる気が高まる

――実際に診断員の方と専用ソフトを使ってご家庭のCO2排出量をチェックしたあと、それぞれのご家庭に合う対策についてのアドバイスがありました。診断を受けてみての感想はいかがでしたか。

中能:やっぱり人と話しながらできるっていうのは楽しいですよね。自分の家のこととはいえ、エネルギー消費量を1人で調べて対策をするっていうのは、なかなかできないので、人と対話しながらこういうことができるってすごいなと思いました。あとは、冷蔵庫やエアコンを買い替えるとか、太陽光発電を設置するとか、設備を変えることによる効果は大きいんだなって改めて思いました。

中山:節水・節電型のシャワーヘッドに変えるとか小さな投資で節電できるメニューがもっとあるといいですね。私は実際に3000円のシャワーヘッドで効果を実感しました。それから、こういう取組みを数字やグラフで明確に、しかも具体的にどこを改善すべきか示されると説得力があります。モチベーションがあがりますね。

馬場:大掛かりな投資はするつもりがなく気軽な気持ちで参加したのですが、診断員さんの提案が身近な内容でとてもよかったです。例えば、ご飯は電気釜で焚いているんですが、1時間近くかかる上に意外と消費電力も大きいですよね。それを診断員の方が「うちエコ診断の対策メニューに入っていないのですが、土鍋にしては?電気釜より時間も短くて済むし簡単ですよ」と提案されたんです。今日からすぐにでもできる内容で、それだけでも今日は来てよかった。

中島:私の場合は逆に、ソフトに出てくる提案内容のほとんどが太陽光発電やエコカーなど大きな投資が必要なものばかりで、すぐにアクションに結びつけられそうなものが少なかったのがちょっと残念。

馬場:ソフトの提案の中に「二重サッシ」が出てきたんですが、「リフォームまではちょっと⋮」と言ったら代わりに「断熱シート」を勧めてくれました。大きな投資が必要なものと、その代わりになる簡単な方法の両方を教えてくれるといいですよね。

井寺:今すぐ二重サッシに変えることはできなくても、いろいろな省エネの方法があるのを知っておくだけでもいいと思うんですよ。後で引っ越しやリフォームの時に知識が役に立つかもしれないですし。

中島:細かいところでは気になるところもありますが、限られた時間のなかでこれだけいろいろな家庭に対応できるという点で、全体としてはよくできたソフトですよね。

井寺:最初に自分の家のエネルギー消費を細かく入力すると、どの分野で1番エネルギーを使っているかわかるじゃないですか。うちはトップが給湯だったので、給湯に関する取組み例がたくさん出てきたんですが、「なるほど、これがオーダーメイドなんだな」って思いました。

中能:我が家は一番が冷暖房だったからか、提案の中に「家族団らん」って出てきて笑っちゃった。家族で別々の部屋でエアコンつけて過ごしているからかしら。

中島:事前アンケートは、ボリュームや内容が比較的簡単で負荷が少ない反面、実際に診断の場に来て改めて聞かれることが多いし、しかも細かいので、少し戸惑いました。テレビや冷蔵庫の消費電力を聞かれたけれど、わからずにブランクのまま診断したので、事前に調べておいて正確に知りたかったですね。

中山:私なんかブランクになるのが悔しくて、仕事中の夫に電話してテレビの消費電力を聞いちゃったもの(笑)。診断を受けようと思う人は、それなりに真剣に省エネ・節電をしたいと思っている人なわけだから、なるべく精度の高い診断ができるほうがいいですよね。

中能:時間的に余裕がある人は、宿題として「診断日までに細かい消費電力なども用意する」みたいな仕組みがあってもいいかもしれないですね。

続きは『環境会議』2012年秋号(9月5日発売)でお読みいただけます。

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『環境会議』『人間会議』は2000年の創刊以来、「社会貢献クラス」を目指すすべての人に役だつ情報発信を行っています。企業が信頼を得るために欠かせないCSRの本質を環境と哲学の二つの視座からわかりやすくお届けします。企業の経営層、環境・CSR部門、経営企画室をはじめ、環境や哲学・倫理に関わる学識者やNGO・NPOといったさまざまな分野で社会貢献を考える方々のコミュニケーション・プラットフォームとなっています。
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