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コラム

since 1963 コピーライターの登竜門!第50回 宣伝会議賞 特設コンテンツ

宣伝会議賞1分アドバイス(13)玉山貴康さん「受賞できなかった悔しさが、今につながっている」

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いよいよスタートした、第50回宣伝会議賞。

今回も、広告界の最前線で活躍するクリエイティブディレクター、コピーライター、CMプランナーが審査員を務めます。その数、なんと100人!

このコーナーでは、審査員の皆さんが日替わりで毎日登場します。プロのコピーライターの皆さんは一体、どんなシチュエーションでコピーを生み出しているのでしょうか?宣伝会議賞のグランプリ、そしてコピーライターとしてのキャリアアップを目指す皆さんに向けたメッセージもお届けします。

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本日は、電通の玉山貴康さんへのインタビューを紹介します。宣伝会議賞で受賞できなかった悔しさが、今につながっているという玉山さん。最近のお仕事では、ロッテのガム「ACUO(アクオ)」のテレビCMが挙げられます。俳優・松坂桃李さんを起用し、会社の会議のシーンをユーモアたっぷりに描いたCMが印象に残っている方も多いのではないでしょうか。ロッテ「ACUO」のCMはこちらでも見ることができます。

——アイデアが浮かぶのは、どんな瞬間でしょうか?

玉山さん 朝起きてすぐと、それから会社へ向かう通勤途中と、会社のデスクと、打ち合せの時と、帰宅時の電車の中と、家に帰ってからの自分のデスク。つまり、全シチュエーションですね。

——あらゆるシーンがアイデア発想の場になっているのですね。コピーを考えるときの、マストアイテムと言えば何でしょうか?

玉山さん 筆箱、自分のノート、そして自分が考えたことをダメ出し続けるもうひとりの自分です。

——仮想敵「もう一人の自分」を設定することで、自身のアイデアに疑問を投げかける。一度考えて満足するのではなく、よりアウトプットの質を高めようとする姿勢が参考になります。玉山さんは宣伝会議賞への応募経験もお持ちですね。当時のエピソードを教えてください。

玉山さん 宣伝会議賞に応募しても、ぜんぜん賞が獲れなかった。良くて二次通過。受賞作のコピーの鮮やかさに感嘆し、感心し、嫉妬した。なんで自分はこれが思いつかなかったんだろう。その近くまでは辿り着けていたのに。その悔しさがいまでも忘れられない。コンプレックスの固まり。自分の場合、それが原動力になりました。……まだまだ下手くそです。

——なかなか思うようにいかず、奮闘した経験が、今の活躍につながっているのですね。そんな玉山さんが、コピーライターとして大切にしている考え方・行動にはどんなものがありますか。

玉山さん 「月をさす指これいかに」「それは言葉なり」という禅問答があるんです。「言葉は単なる言葉(指)にすぎなくて、その先や奥にあるもの(月)こそ大事なのだ」という意味として私は解釈しています。大事なのは自分が何を言いたいのか、何を伝えたいのかということであって、決してレトリックではない。肝に銘じています。

——言葉の使い手としてのテクニックももちろん大切ですが、それ以上に、コピーの対象の「何」を伝えるか。原点に戻って考えることの大切さに、いま一度気づかされます。

次回は、オガワプロ・小川英紀さんへのインタビューを紹介します。お楽しみに。

玉山貴康(電通/コピーライター、クリエーティブディレクター)
第5CRプランニング局。主な仕事に、ロッテACUO「部長課長」編、ACジャパン「こだまでしょうか」「みんなでやれば、大きな力に。」、男女平等参画推進「DV防止啓発」、楽天トラベル「ほぼ毎日突き出し」、本田STEPWGN「ウルトラマン家族」、キリン氷結「セカイガ キラキラ ハジケル」など。07・10年TCC賞など受賞多数。


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『宣伝会議賞』
日本最大規模の公募広告賞「宣伝会議賞」は第50回を迎えます。1963年にスタート以来、広告界で活躍する一流のコピーライターのほか、糸井重里さん、林真理子さんといった著名な書き手を輩出してきました。50回目となる今回は50社の協賛企業から課題が出されており、第一線で活躍する100人のクリエイターが応募作品を審査します。課題は9月1日発売『宣伝会議』本誌にて発表、2012年10月31日が締め切りとなります。

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