「広告界の未来を構想する」をテーマにしたイベント「AdverTimes DAYS(アドタイ・デイズ)2013」(主催・宣伝会議)が3月13日と14日、東京都千代田区の東京国際フォーラムで開かれ、2日間で9725人の方に来場いただきました。雑誌「宣伝会議」の創刊60周年(2014年4月)を控えた「宣伝会議60周年イヤー」の皮切りであり、本サイト発の初めてのイベントでもあります。2日間のセミナーの一部を本欄で紹介します。
企業におけるマーケティング機能の役割が大きくなる中で、従来の「広告担当者」に留まらない、真のマーケターとしての活動、視野が求められている。「広告」という手法にとらわれずに、企業とお客さまの接点をつくり、新しいコミュニケーションを志向している3人がこれからの企業におけるマーケターの役割、必要な資質などについて意見を交わした。
<登壇者>
エイチ・アイ・エス 本社 事業開発室 室長 山岡隆志氏
日本アドバタイザーズ協会 Web広告研究会 代表幹事 本間充氏
トヨタマーケティングジャパン マーケティングディレクター 折戸弘一氏
成功のカギは「共成長マーケティング」に「アドボガシー」
── はじめに現在の仕事内容を教えてください。

トヨタマーケティングジャパン
マーケティングディレクター折戸弘一氏
折戸
トヨタマーケティングジャパンで、プリウスやアクアなどの次世代環境車のマーケティングを担当しています。アクアは2011年の12月に発売し、特徴はガソリン1リットル当たり35.4キロという世界一の低燃費と、169万円からという低価格です。
このマーケティングでは2つの戦略を立てました。まず、短期的なプロダクト戦略として、燃費の良さといった商品力の高さをテレビCMなどを使って購入者層に向けて迅速に伝えます。また、この車の月販目標は1万2000台でしたので、中長期的なプロジェクト戦略も必要です。車に関心がないと言われる若年層を中心としたブランディングを視野に入れ、“水”という意味のアクアにちなんで、水をテーマにした地域の環境保全・保護活動「アクアソーシャルフェス」を全国で展開しています。アクアを購入しなくても申し込むだけで参加できますし、免許を持っていない若い方も大勢参加されています。