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2013年ゴールデンウィーク 人気旅行にも現れる「手軽さ」と「共創」

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『宣伝会議』発売日である5月1日は、春の大型連休の最中である。調査によると大型連休における旅行動向は国内旅行が過去最高人数になるなど、旅行消費に対して上向きな状況だ。そのトレンドに傾向は見受けられるのだろうか。

東京近郊の旅行が昨年に引き続き人気

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多くの人が旅行などのレジャーを楽しむ春の大型連休。JTBが発表した4月25日~5月5日(出発)の旅行動向予測では、1泊以上の旅行に出かける総旅行人数は過去最高の2279万6000人と前年比0・8%増という結果になった(表)。土・日・祝日の4月27日~29日、5月3日~6日と間に3日間の平日を挟むためか、海外旅行人数の推計値は昨年を下回ったものの、国内旅行人数が前年比を上回り、2年連続で過去最高を上回る見通しだ。人気の国内旅行の特徴としては、昨年5月開業の東京スカイツリーや東京駅前の旧東京中央郵便局舎を一部保存・再生し建設された「JPタワー」内に3月にオープンした商業施設「KITTE」、また東京ディズニーリゾートが30周年を記念して「ザ・ハピネス・イヤー」を展開していることもあり、東京方面の旅行人気が高いという。また、旅行時の支出についての意向も同調査において増やしたいと回答する人が25・1%と前年比12・4%増と大幅に伸びており、足元の景況感が良くなったことが影響しているのではないか。

注目を集めるのは「手軽」なクルーズ旅行

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今回のサン・プリンセス号をきっかけに、「手軽」なクルーズ旅行 が、日本にも浸透のではないかと見られている。

おおまかな大型連休における国内旅行の状況は先の通りだが、各社の旅行案内などを見ると、これまではあまり目にすることのなかった国内発着の「クルーズ旅行」が多く見受けられた。今年、世界有数のクルーズ会社のひとつであるプリンセス・クルーズの客船サン・プリンセス号が、日本に発着することもあり、新たな旅の形態として、プロモーションなどに注力しているという。「クルーズ旅行と聞くと、富裕層など時間にもお金にもゆとりがある方が楽しむ旅行と、多くの方が感じていたように思います。本来、実際クルーズ旅行は手に届く価格のものも多いのですが、海外発着ですと、その発着地に行くまでの飛行機代など別途費用がかかるため、このように感じられていたのではないでしょうか。しかし、クルーズ旅行中に訪れるところと同じ行程でホテル宿泊にするのであれば、クルーズ旅行のほうがおトクな可能性が高いのです。日本に発着するということで、多くの方がクルーズ旅行を気軽に楽しみひとつの旅行形態として普及していくのではないかと考えています」(JTB 広報室)。金額面ばかりでなく、「手軽さ」といった面でもクルーズ旅行は注目を集める。客船は、寄港地への移動手段のみならず、プールや大型液晶スクリーンによる映画鑑賞、フィットネスジムやミュージカル・マジックなどのエンターテインメントショーといったさまざまなレジャーがひとつに収まった施設にもなっているのだ。「旅行計画などを立てる時間がない場合、行程が決まっているパックツアーもありますが、団体旅行を敬遠される方もいらっしゃいます。そういう方にとって、ある程度行程が決まっていながらも、客船内での過ごし方など多くの選択肢から自身で選べるスタイルが好まれる可能性も高いと思います」。実際に現在、想定以上の申し込みがあるという。リフレッシュのために旅行に行きたいが、その計画などをするには難しい人にとって「手軽」でありつつも「選択肢の幅が広い」ことが選ばれやすい理由ではないだろうか。

旅行にも広がる「共創」商品

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「共創」によって生まれた姫様シリーズは、パンフレットも雑誌のようなレイアウトに仕上げ、より一層興味がもたれやすくなっている。

またこの「手軽さ」以外の特徴として海外旅行が主となるが「共創」があった。さまざまな業種において企業と生活者が一緒になって作っていく商品・サービスが広がっているが、JTBでは「JTB 女子旅つくるプロジェクト」を展開。一般人女性と人気ブロガーなどが旅行先現地で情報収集を行ってプランニングし、そこで決まったツアー行程を「姫様シリーズ」として昨年夏からJTB西日本で販売した。そして好評を博し、この春から東京発のプランも展開している。ほかにも、WEBサイト上でユーザー同士が旅行の企画から詳細プランを作り、実際の旅行ツアーにすることが可能な旅行事業「trippiece(トリッピース)」というWEBサービスも、学生ベンチャーからはじまったものでありながら、わずか1年間でユーザーが2万人を超えるなど「共創」する旅行に注目が集まっ
ているのは間違いないだろう。生活者のライフスタイルも多様化し、ターゲット層が求める商品・サービスが作りにくいと言われている中、この共創的商品が増えていくことはもちろん、先述のクルーズ旅行のように手軽さの中にも高い自由度を保つ商品も求められていくのではないか。