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各部門の共通認識をつくり、「お客さま目線」を貫くブランドに―セブン銀行グループ

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2001年の創業以来、ATMをベースに事業を拡大してきたセブン銀行。2021年には「お客さまの『あったらいいな』を超えて、日常の未来を生みだし続ける。」というパーパスを策定。このパーパスの実現に向けて、常にお客さまに寄り添い、絶えず新しいことに挑戦することを目指しています。

そんな同社ではマーケティング部門にも顧客理解をベースとした新たな体験価値の創出が期待されています。解像度高く顧客を理解し、いま世の中に存在しない「あったらいいな」を実現するアイデアを形にしていく。データも活用しながら、まさに“マーケティングの高度化”が同社のマーケターに求められる役割です。『宣伝会議』編集部では、そんな挑戦を続けるセブン銀行のマーケティングチームと連携。編集部も企画に携わり、外部のマーケターやプランナーとの対話を通じて、新たな価値創出を目指す「みんなの宣伝会議@セブン銀行」プロジェクトをスタート。本連載では3回にわたり、プロジェクトに参加しているセブン銀行メンバーが担当となって現場の様子をレポートしていきます。

自社の強みが交わったところに新しい事業・サービスのきっかけがある。

写真 「みんなの宣伝会議@セブン銀行」企画では月に1回のペースで外部講師による講演を実施
「みんなの宣伝会議@セブン銀行」企画では月に1回のペースで外部講師による講演を実施。8回目はBOKURAの宍戸 崇裕氏、9回目は損害保険ジャパンの中村 愼一氏、10回目はマーケティングサイエンスラボの本間 充氏が登壇。本レポートは8 ~ 10回までの講義を経て、参加メンバーが得た気づきを座談会形式で議論し、まとめたものです。

── 6カ月にわたり取り組んできたマーケティングコミュニティも終盤となり、回を追うごとに、より実務に近い内容となりました。ファンマーケティング、新規事業開発、データ活用をテーマに、テクニカルな内容からマインドに至るまで、様々な学びがありましたね。

佐藤:マーケティングでも企業広報でも、SNSの活用は欠かせません。その意味でSNSの活用とファンマーケティングをテーマにした宍戸さんの講義は学びが多かったです。特に印象に残っているのは、「広告戦略=ドーピング」「ファンマーケティング=筋トレ」というお話です。

広告で得られる効果はあくまで一時的なもので、長期のリード育成・獲得においてファンマーケティングが重要であることを学びました。今は目先のHP流入数・CV数にこだわるのではなく、「お客さまが何を求めているのか」「ファンになってもらうには」という観点をもって業務に取り組みたいと考えています。

田中(愛):「拡散ではなく、ファンとの距離を縮めるツールとしてSNSをつかう」というフレーズも印象に残っています。私はSNSの運用担当をしていますが、一方的に発信してばかりでお客さまのコメントに反応できていない現状でした。キャンペーンやブランドキャラクターなどをきっかけに、気になってつながってくださるお客さまがファンになって自発的に発信していただけるように、まずは私たちがどう動くかが大事だなと思いました。

都築:確かにファンの存在って大切ですよね。ただ、その存在がなかなか可視化できていないように思います。セブン銀行のファンやATMのファンってどれくらいの人数がいるのでしょうか。

田中(果):どんなお客さまがどんな風にATMを使ってくださっているのかを理解していくことが大切ですね。

都築:中村さんの講義は、事業とマーケティングという、また視座の異なるお話で刺激が多かったです。

新規事業検討の際に、世の中のトレンドや市場に目を向けるということ。それに対して、自社の強みが交わったところに事業のきっかけがあるという考え方がすごく勉強になりました。また、考え方だけでなく、挑戦し続けることを諦めない姿勢や粘り強さなどのマインドも新規事業に携わる上で大事だということを認識しました。私も新規事業に携わっているため、前例がなく、立ち止まる場面も多くありますが、何度も何度もチャレンジし、考えることを諦めない姿勢を意識して仕事に励みたいと思いました。

田中(果):中村さんが過去に携わったCLUB Panasonicのお話がとても印象的でした。私はATMのサービス開発に携わっていますが、いかにお客さまのニーズをくみ取り、製品開発に活かすか、が大切だと日々感じています。今回の例はお客さまとの関係づくりにフォーカスを当て、製品に対するご意見を聞きながら商品力の強化に活かすというマーケティングと製品開発の連携がうまくいっている例だと思いました。本プロジェクトの活動を活かして部署間の連携も強めていきたいと感じました。

廣田:私の中では、「新規事業を起こす理由を自分自身と合意しておくことが大切」という言葉がすごく刺さりました。新規事業に関わらず、自社のサービスや自身の業務を自分事化できてない時や客観視しすぎる時は誰にでもあるのではないかと思うのですが、お客さまや世の中に何を提供したいのかを、熱量を保って常に認識しておく必要があるのだと感じました。また、業績に直線的につながらなくても、長期的な目線でお客さまにとって、有益なことや企業の成長に必要なことについては、しっかりと道筋を立てて主張し、本業への貢献を見える化することで、周囲の理解を得ていきたいです。

髙村:デジタルマーケティングの黎明期から、マーケティングに関わってこられた本間さんの話も実務に生かせるヒントがたくさんありました。私は普段の業務で、キャンペーンの実施やメルマガやアプリでの告知を行っており、施策やコンテンツの検証はしているのですが、ペルソナについてまで深掘りできていませんでした。また次々と施策を実施する方に注力しがちで、施策後の分析が十分に行えていない点も課題に感じています。

当社で保有しているデータを深掘りし、お客さまのペルソナを把握することで、お客さま一人でひとりに合わせた対応へと、改善をしていきたいと思います。

池田:私は普段データ分析をしており、データを分析する前に何をしたいかを明確にしないと意味がないという話は、しっかりと意識すべきだと再認識しました。また、チームでスキルを掛け合わせて、チームとしてトータルのスキルが面で担保できれば良いという話もとても学びがありました。お客さま分析も、もっと深掘りすることでペルソナが明確になり、お客さま理解が深まるのではないかと感じました。

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写真 ロゴ セブン銀行

「みんなの宣伝会議@セブン銀行」まとめ

全10回の「みんなの宣伝会議@セブン銀行」の活動を通じて、マーケティングの最も重要な観点である「お客さま目線」の欠落や、データ分析や施策実施の手段が目的化している事象等、私たちの課題点を改めて認識するきっかけとなり、まだまだ伸びしろがあることに気づかされました。また、今まであまり関わることのなかった各部署のマーケティング担当者と共通認識を持つことができたこと、つながりを持てたことは大きな収穫でもありました。どんな時も「お客さまの『あったらいいな』を超えて、日常の未来を生みだし続ける。」というパーパスに立ち返り、マーケティングコミュニティで得た学びを実務に活かしていきたいと思います。

写真 集合
今月の「編集委員」は私たちが務めました!
写真左から池田翼さん、髙村恵里さん、田中愛優実さん、佐藤澪さん<二列目>、廣田亜優さん、田中果奈さん、都築彩さん<一列目>。