社会貢献型商品の増加と複雑化する消費者心理
「社会・環境問題への企業のサポートに対するアメリカの消費者からの要求はかつてないほどに高まっている。ただし、消費者がそうした努力の成果を問う傾向が顕著になってくるにしたがって、コーズ消費のお金の使い方は、決してわかりきった簡単な問題ではなくなっている」
PRエージェンシー、コーン・コミュニケーションズは、アメリカの消費者に対するコーズ・マーケティングが難しくなってきていることを指摘する。1983年にアメックスが自由の女神の修復費用を集めるためのキャンペーンを行って以来、年々社会貢献型商品やキャンペーンは増えてきているが、それとともに消費者の見方も変化してきている。
これは北米や先進国だけの傾向ではなく、2011年頃から世界的に顕著になってきているようだ。たとえば、ブラジルの研究では、消費者の多くが、社会課題の解決のために企業とNPOが連携することを好ましく思っているが、そうした消費者心理を企業が「利用」していることに気づいていること、子どもが関わるものが好まれやすいほか、購入意思決定には、個人的な経験との関わりが深いことなどの詳細が報告されている。
※Cause related marketing: consumers’ perceptions and benefits for profit and non-profits organisations, Francisca FaracheI; Keith John PerksII; Lilian Soares Outtes WanderleyIII; José Milton de Sousa FilhoIV
こうした傾向を受けて、コーン・コミュニケーションズでは、最新の調査データを元に、企業の社会環境活動に対する消費者の期待と消費者に好まれる方法を紹介するインターネット・セミナー(webinar)を11月20日(アメリカ時間)に開催する。
同セミナーでは、NPOや政府機関、P&Gをはじめとする様々な消費財ブランドのストラテジストとして実績のあるクレッグ・ビダ氏(コーン・コミュニケーションズCEO)と、アメリカ癌協会、薬局チェーンのウォルグリーンズ(Walgreens)、ディズニー、アクサ、デロイト、ハーレー・ダヴィッドソン、インテル、ターゲットといった企業のコーズ・ブランディングに携わってきたアリソン・ダシルヴァ氏が講演する(同取締役)。参加者には重要なマーケティングデータなどが提供されるという。
≫次ページに続く 「日本でも高まる社会貢献型消費への関心」
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