社会貢献型商品は、どこまで消費者の心をつかむことができるのか(2)

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「メーカーズ革命」で、社会貢献型商品の開発・マーケティングにも変化

2013年初頭にクリス・アンダーセンの『MAKERS―21世紀の産業革命が始まる』日本語版が発売され、主要ビジネス誌が次々と「メーカーズ革命」を特集した。それからおよそ10カ月後の10月、テレビ東京のカンブリア宮殿に、「ひとり家電メーカー」として話題を呼んでいるBSIZE(ビーサイズ)の代表、八木啓太氏が登場した。

ビーサイズはLEDデスクライト「STROKE(ストローク)」を開発・販売する神奈川県小田原市にある小さな会社だが、「STROKE」は2011年12月の発売後、順調に売り上げを伸ばしている。シンプルさをきわめたデザイン性の高さや、省電力、広範囲を照らせる照射角などの特性が高く評価され、「2011年度 グッドデザイン賞(GOOD DESIGN AWARD)」や独「red dot design award 2012」も受賞している。

クリス・アンダーセンは『MAKERS』で、コンピュータによる設計支援ツール(CAD)やその関連ソフトウェアの充実、インターネットを介したBtoB取引情報の充実、キックスターターのようなファンドレイジング・インフラにより、すでに製造業は様変わりしつつあり、3Dプリンターの低価格化はそれに拍車をかけると予測する。製造業は大規模な製造インフラを抱える少数の大企業だけのものではなく、マーケット・ニーズに応えるコンセプトとデザイン、サプライチェーン・マネジメントさえ可能なら、誰にでも開かれたものになるというのだ。

大企業による大量生産大量消費だけでなく、ニッチなニーズを掘り起し、ユーザーのこだわりに応えるオリジナル・アイテムを受注生産するような中小規模の製造業にもチャンスが生まれており、それは結果として「廃棄ロス」や多大な輸送エネルギーの消費を抑制することにもつながる。

そして、ビーサイズに代表されるように、すでにそういった新しいかたちの製造業が誕生しはじめている。

ものづくりに大きな変化が始まるなか、「社会貢献型商品」の開発・マーケティングにはどんな変化が生じるのだろうか。「日本の森を守りたい」という思いを共有するEVI推進協議会による企業や自治体、生産者によるカーボン・オフセット付き商品の広がりは、これからの方向性のひとつを示唆している。

※EVI(Eco Value Interchange)は、環境保護活動を行うプロジェクトと、CO2の削減にオフセット・クレジットを利用したい企業、環境に関心のある生活者をつなぐプラットフォームのこと。日本全国の森林保全活動を通じて環境省により認証されたJ-VERクレジットを買い取り、参加企業の商品につけて販売する。EVI推進協議会では、環境配慮型商品につけて販売するキャンペーンや商品開発なども行っている。119社、3582店舗が参加して行われた「ともに生きる!ひろげよう防災の輪 復興支援キャンペーン」や、森永MOWの「しぜんはたいせつ。MOWを食べて日本の森を守ろう」キャンペーンなどがある。

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