制作工程を最大限効率化する



アメリカのテレビチャンネル「ディズニーXDで放映しているアニメ『PAC-MAN and the Ghostly Adventures』 ©2012 NAMCO BANDAI Games Inc.
OLM デジタルは、「ポケットモンスター」をはじめとするさまざまなアニメーションの企画・制作を手がけるOLMグループにおいて、3DCG やアニメーション、実写映画のビジュアルエフェクトなど、デジタル映像制作全般を担っている。
映像技術が発展する中で、制作される映像自体は低予算でつくられるアニメーションから、フル3DCG でつくられるアニメ映画など、二極化が急速に進んでいる。その状況下で映像制作会社に求められるのは、「会社独自の映像表現を確立しつつも、その制作過程において最大限効率化を図っていくこと」だと、OLMデジタルの四倉達夫さんは話す。同社においてその実現を技術面から担っているのが、四倉さんの所属する研究開発部門だ。
「例えば数学者の方を招き、映像表現の可能性を数学の視点から共同で研究するといった活動を行っています。その成果は世界最大のCG の国際学会SIGGRAPH(シーグラフ)などで発表しています。CGとは計算式の集まりによってできているものですから、そこを研ぎ澄ましていけば新たな表現を生み出せる可能性があります」と四倉さん。
一方で、作業を効率化するためのツールの開発や、プロジェクトに合わせて新たにコンピュータを導入するといったことも、研究開発チームの仕事だ。昨年春、アーケードゲーム「パックマン」のキャラクターが活躍する、フルCG のテレビアニメーション「PAC-MAN a n d t h e Gh o s t l yAdventures」の制作をバンダイナムコゲームスより委託。それをきっかけに、オフィスフロアを拡大すると共に、制作スタッフを約1.5 倍に増員。それに伴い作業用のワークステーションとして新たに導入したのが、Dell Precision シリーズだ。