難航する警察捜査、不慣れな悪意の異物混入事件の防御態勢に食品業界も震撼
マルハニチロホールディングスの子会社アクリフーズの群馬工場で製造された冷凍食品に農薬が混入した問題が昨年末から世間を賑わせており、21日時点で回収率は85.6%まで進んでいる。一方で、警察が必死の捜査を進めているものの、依然としてその全貌は明らかになっていない。
企業への脅迫や犯行声明をマスコミに公表するなど、過激な行動に出る、いわゆる「劇場型犯罪」と異なり、沈黙を続ける愉快犯や身内の犯行と思われる悪意の異物混入では、企業や警察当局からの発表が全てであり、その推移や結果があらゆるステークホルダーの注目や標的となる点に特徴がある。
そうした視点から評価すれば、当初からの企業が発する「悪意への強いメッセージ」が重要であり、安全と安心の確立を求めてやまない食品会社としての「不退転の覚悟」が示されなければならない。
本事件におけるマルハニチロやアクリフーズの対応、さらに社長のメッセージは、どのようにステークホルダーに届き、メディアや市場はそれに対してどう反応していたのだろうか。
場合によってはいつでも、どの企業でも発生しうる問題だけに、食品業界は自社でのことのように震撼し、経営者は内心どのような対策を講じるべきか頭を痛めている。今回も株式会社VLeに調査を依頼し、分析を行った。
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