コラム

CSR視点で広報を考える

マルハニチロホールディングス自主回収事件におけるメディア及び市場の反応

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市場の反応

本事件では、全体の動きの中で大きな2つの波が確認されている。一つは年末の「自主回収」に関する報道と、もう一つは年始の「被害状況」に関する報道である。

「1回目の波」では、自主回収の事実に関する報道の後、事件性を懸念する報道が続き、さらにその後に説明が不適切であったことについての報道がなされたことで、あらゆるメディアで3日間の継続的「山」を作ってしまった。

具体的には、事件の発覚による報道(1回目の報道:2013年12月29日)、意図的混入の可能性に対する群馬県の立入検査及び警察の捜査に関する報道(2回目の報道:2013年12月30日)、不適切な説明に対する報道(3回目の報道:2013年12月31日)である。

自主回収の発表が年末ぎりぎりというタイミングでもあり、年末年始で消費者がエンタメムードであったことと、多くのテレビ局で特番が組まれていたことで報道回数が減り、口コミ拡散は一時的に極端に減少した。

しかし、連休明けの報道から再度メディアでの露出件数が多くなると、ブログでの書き込み、口コミ数が急増、検索数も一気に上昇した。「検索数」では、「マルハニチロ」というキーワードの比率推移に比較し、「アクリフーズ」に関するキーワードの比率推移が後半で増えており、メディアの影響で「アクリフーズ」が言葉として定着したと見られる。

同企業サイト HYPERLINK では自主回収に関する呼びかけと、日次以上のペースで公表を継続(21日時点で第24報)して行っている経緯から、「アクリフーズ」が検索されることは「回収」に繋がったものと考えられる。

ちなみに、「2回目の波」にあたる具体的な報道は、異臭と被害状況に関する報道(4回目の報道:2014年1月6日)、被害状況と基準値比の具体的数値に関する報道(5回目の報道:2014年1月7日)、消費者庁への呼び出しと被害状況に関する報道(6回目の報道:2014年1月8日)である。

株価については、年末年始の休場を挟むも、下落傾向は止まらず、最大で6%以上も下落した。

※ 共起語について
一定の期間、共通して使用されたワードを「共起語」という。今回の事件では、これまでの期間全体で、企業への対応に関して「おかしな」、食品の「不良」や「安全性」、回収への「緊急」性、事件全容に対する「不明」な点、製品は「本当」に「大丈夫」か、農薬の「臭い」など、安全・安心に対する不安要素が上位ランキングを占めた。

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