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コラム

山本一郎と燃ゆるICT界隈

ウェアラブルデバイスが流行なのは分かるけど、ノリだけで風呂敷広げるのはやめて欲しいでござるの巻

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ある意味で、漫画や小説でサイエンスフィクションをやる分には構わないと思うんですよ。

ただ、事業として手掛けるのでお金を出してください、というのは、実現の見通しが立つ技術がすでにあり、超えるべきハードルが明確に見えている場合であって欲しいわけです。

例えば、指輪型のウェアラブルデバイスでできることは限られています。もちろん、電池の制約も大きいわけなんですが、指の動きで明示的なコマンドなしに特定の機能を機器に伝達させ、さらに周辺の機器に電波を飛ばして何らかの動作をさせる、という時点で、それはウェアラブルデバイスにできるハードウェア的限界をすでに超えているんですよ。

歩いているときなど、別のことをしているときは指輪デバイスは休んでいないと誤動作しますから休眠しますよね。そして、指輪デバイスを使いたいときは、何らかの方法を使ってこれを稼動させるというアクションが必要なわけです。それもいらない、という人は、24時間その指輪デバイスが超小型ジャイロやセンサーなどを稼動させて利用者の状況をモニタリングさせるつもりなんですか?

あるいは、サムソン電子が作ったウェアラブルデバイスの最右翼のはずの時計型のアレ。中身はちっちゃい画面で動きもカクカクした残念な感じの古いスマホですね。あんなものが、それなりの重量で手首にぶら下がっていて、何が楽しいんですか。小さい画面で操作に四苦八苦するぐらいなら、普通にポケットからスマホ出してきて操作すればそれで済んでしまいます。

結局、ウェアラブルデバイスというものは能動的に何かをするときにモリモリ使うというよりは、もっとパッシブなものに活路があるのでしょう。

それは自動改札であり身分証明であり何らかの本人であることを明示するために「盗まれない、落とさない財布、カード入れ」としてのウェアラブルデバイスであり、そこからの発展系として、何かを操作できる、新しいユーザー体験があるという方向に限定しないと、そもそももちません、電池が。

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