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コラム

いいかげん、脱・広告宣言!

コンテンツマーケティングは自転車のように乗りこなそう!

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【前回のコラム】「グロースハックとは、結局コミットメントの話なのだ」はこちら

「コンテンツマーケティング」というワードが、マーケターや広告関係者の間でバズっていますね。
コンテンツを使ったマーケティングと聞くと、とくに新しいものではないように感じますが、どうやらこれまでのマーケティングや広告手法とは違うようです。
伝えたい情報を企業側から人々に押しつけるのではなく、魅力的なコンテンツを用意することによって、人々のほうから探し出してもらえるようにするのだといいます。

こういった考え方が注目されることになったのは、ご存じの通り、世の中に流通する情報量が爆発的に増えたからです。
残念ながら、インターネット上の膨大な情報の中から、わざわざ広告を検索してくれる人はいません。つまり広告には、SEO対策の意味もありません。
ならば、人々のほうから訪ねてきてもらえるように、広告自体を面白くて役に立つコンテンツにするしかない、というわけです。

では、面白くて役に立つコンテンツとは、どんなものでしょうか。
コンテンツの定義には幅があるので、いろんな形態が考えられるでしょう。
ドラマのようなストーリームービー、音楽ビデオ、長文読み物、体験型ゲーム、取扱説明ビデオ、コミュニティサイトなどなど、ざっと挙げるだけでもさまざまあります。
とにかく、人々が求めている情報をきちんとコンテンツにしたものが、すなわち探し出してでも見てもらえる有益なものになるのです。

これらのコンテンツには、尺というか、大きさの制限がありません。
だからといって何でもいいというわけではなく、人々にシェアされやすいサイズを考えなければなりません。
これは従来型の広告やPRと違うところです。
広告なら15秒CMや新聞15段などメディアの広告枠に、PRならメディアに取り上げられやすいようにサイズを合わせるでしょう。
しかしコンテンツマーケティングの場合は、メディア枠のサイズではなく、人々にシェアされることを狙いとしたサイズを考えるわけです。

コンテンツがシェアされるツールはいろいろとありますが、これらとコンテンツの内容とがごっちゃになり、混乱が起きたりもしています。
例えば、最近あるクライアントからフェイスブックページの改善について相談を受けました。

そのクライアントは、フェイスブックページでのエンゲージメントを強化するために、フェイスブック上でどんどんエンターテインメントコンテンツを展開していきたいということでした。
ドラマ性のある連続ストーリーや、複雑なファン参加型ゲームなどの展開をイメージしていたのです。

でもこれは、フェイスブックの使い方としてはちょっと違いますよね。
一般の人々は、フェイスブックの投稿上で何かの仕掛けを展開したりしません。
友だち同士で、日常の出来事をネタにコミュニケーションをとっているはずです。
ならば、エンターテインメントコンテンツは別の場でしっかりと展開されるべきもので、フェイスブックには、それを日常活動のひとネタとして投稿するべきです(もちろん、そもそも企業がフェイスブックに入り込むこと自体に抵抗があるという意見もありますが)。
こうしたことは、日頃から自分でフェイスブックを使っている人ならすぐにわかるはずです。

この例からもわかる通り、コンテンツマーケティングは、自分自身がやってみてこそ理解できるものなのです。
まずは、自分自身のブログやYouTubeチャンネルを開設して投稿し、それらをツイッターやフェイスブックや広げていくということを経験してみることです。

初めての自転車のように、何度も転びながら乗りこなそう。

僕も長らく自分のブログやYouTubeチャンネルなどを運営していますが、いろんなケースを試しては、反応の良し悪しを確認しています。
「一瞬で揃うルービックキューブ」というわずか10秒程度の動画を投稿したときは、かなり短期間で15万回再生を超えました。
くだらないようにも思えますが、こういったことを続けていると、どんなコンテンツが10万PVを獲得するのか、5000「いいね!」とはどんな手応えか、どんなふうに語ってどんなツールで拡散させるのが有効なのか、逆にどうすると炎上するのか、などという感覚が身についてきます。

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