コラム

いいかげん、脱・広告宣言!

グロースハックとは、結局コミットメントの話なのだ

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【前回のコラム】「広告をしないクライアントを迎えよう!」はこちら

「脱・広告」を宣言するにあたり、最初にやりたいことがあります。
それは、「自分はグロースハッカーなのだ」という意識づけです。

グロースハッカーとは、注目される新しいタイプのマーケターです。
シリコンバレーでは、ITサービスやテクノロジー系のスタートアップ企業で、この職務の求人が急増しているといいます。

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彼らはエンジニアのスキルを備えていて、伝統的なマーケティングを放棄してしまいます。
これまでのようなブランディングやマインドシェアといった漠然としたものに目もくれず、プロジェクトの測定と検証を繰り返しながら、ひたすらユーザーと成長を追跡するのです。

グロースハッカーになるといっても、とくに資格があるわけでなく、必要なのはマインドセットだけです。
「グロースをハックする」、すなわち、「成長請負人」になる意識づけです。

クライアントから、「広告」を請け負うのではなく、「成長」を請け負う。
この覚悟を持つことが、最初の一歩なのだと思います。

僕が社で所属しているチームは、「未来創造グループ」といいます。
クライアントの「未来創造」、つまり今後の成長を全般的に請け負うチームですが、これはグロースハックと同意でしょう。

これまでの広告ビジネスは、受け身のスタイルでした。
クライアントのオーダーに応える範囲でクリエイティビティを提供してきましたが、そこには限界があります。

なので、僕たちのチームは、クライアントの内側に入って、パートナーとして一緒にディレクションさせていただくスタイルをとっています。
範囲を定めず、あらゆる領域で積極的なクリエイティビティを提供していくためです。

前例のないトライが多く、毎度ドタバタなのですが、ひたすら成長を追求するというのは、こんな感じなのでしょう。

成長を請け負うという意識をもってから、これまで以上に数字を大事にするようになりました。
どんなプロジェクトでも、ROI(投資収益率)の最大化を狙うし、最小限のコストで慎重にスタートするようにしています。
スモールスタートでKPIに到達すれば、プロジェクトを拡大させるし、ダメならすぐやめて、他のプランに切り替えます。

このへんの朝令暮改っぷりは、自分でもすごいと思います。
効果が測定できないものは、そもそも初めからやりません。

たとえば、こんなことがありました。
あるオンラインサービスを提供するクライアントから、大きくマスプロモーションを展開したいということで、コンペにお声かけいただいた時の話です。
僕のチームは、お題に応えるプランを提案し、そのアイデアが採用されました。

しかし採用後、最初のミーティングで話を聞いていると、そんな大きなプロモーションにコストをかける前に、まだまだオンライン上でやるべきことがたくさんあると思ったのです。

新しいオンラインサービスは、認知を獲得しても、それこそ無料でも、なかなか使ってもらえません。その価値が理解できないからです。
大きく認知を獲得するよりも、イノベーターやアーリーアダプターに、強制的に体験してもらう場を仕掛ける方が先です。

そこで僕たちのほうから採用されたプランを取り下げ、当初の10分の1の予算で実現できるプランを再提案しました。
これまでの僕なら、そんなことはしなかったと思います。
お金をかけて、でっかく面白いことをやりたいと考えたでしょう。
でも数字をとると、再提案したプランのほうがクライアントの収益に貢献できるのは明らかだったのです。

次ページ 「ユーザー自身をメディア化する仕掛けづくり」に続く

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