【前回の記事「著名人インタビューと商品コメント(その1)〜インタビュー取材の心構え編〜」はこちら】
著名人に商品を語ってもらうときに大切なのは、何といっても「リアリズム」です。いまだに通販広告を見る側には「広告+有名人=やらせ」のイメージがありますから、一般的な商品の特長をコメント化するだけでは信用してもらえません。その人ならではの「商品とのつながり」を表現するには、やはり直接インタビューをしてディテールを取材する。本人が日常的に欠かさず愛用している情景が思い浮かぶような、臨場感のあるコメントに仕上げなくてはなりません。
前回、インタビューの基本は聞き手がしゃべらないことだと書きましたが、例外があります。それは、著名人本人が商品についてあまり詳しくない場合です。実際にその商品を使っているとしても頻度が少ない。そもそもマネージャーが見繕ったもので本人は興味なし…といったケースなどです(多忙な芸能人にはありがち!)。それでも相手は「仕事」を受けた以上、あれこれ話をしてくれようとしますが、およそ的を射たコメントは期待できそうもない。そんな時は、なるべく聞き手から相手の話の中に入り込んで、コメントを「創って」いかなくてはなりません。
そういう場合に備えて、僕は著名人のインタビューの際、相手のコメントとして入れたいフレーズをあらかじめ用意しておくことにしています。そしてインタビューの最中、そのフレーズを盛り込んだ質問をして、もし、相手が「そうですね!」と頷いてくれたら、ちゃっかり本人のコメントとして書いてしまうこともあります。たとえは悪いですが「誘導尋問」のようですね(笑)。えっ!本当にそんなことしていいの?… もちろん、これは掲載前に先方のチェックを約束していることが前提ですが、このくらいのプロセスを経ないと説得力のある原稿はつくれません。これについては、また後ほど触れます。
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