もう一つ、コメントの説得力を増すために大事なのが、「ディテール」の情報です。柱となるコメントを決めたら、そのエピソードにまつわるシチュエーションなど細かな内容を徹底的に取材します。よく使うのはリビングか書斎か? どんな時間帯に使うのか? どんなバッグに入れて持ち歩くのか?…など、本人しか知らない固有の情報を聞き出します。このディテール情報こそコメントの真実味や説得力を強める源ですから、原稿を書く時に困らないように材料をたくさん集めて、なるべく具体的なシーン描写を心がけます。商品とは直接関係のないことでも、分量が許せばプライベートな情報を散りばめることで、コメントのリアリティが高まります。
リアリティといえば、著名人によってリップサービスとばかり、過剰に商品を褒めちぎってくれる場合がありますが、これも読者には空々しく受け止められてしまいます。「インタビュー時に本当に言ってた!」としても広告を見る側には通じません。要は消費者にとって信憑性を感じさせるように、コメントをコントロールしなくてはなりません。そうした意味でも、事前に「仮想コメント」を作っておくことは有効です。インタビューは、相手にしゃべらせつつも主導権は聞き手が持つべきで、ある程度コメントの内容や筋書きを想定しておくと精神的に余裕が生まれます。取材当日より、むしろ事前の準備をしっかりしておくことがインタビュー成功の鍵だと思います。
前回に続いて、2回にわたりインタビューとコメント作りについて書きましたが、最後に一つ念を押しておきます。今回の手法は「通販広告の商品コメント用」のインタビューを想定したもので、一般的な読み物の取材やインタビューとは、手続きがかなり違っていることを知っておいてください(とくに校閲の有無など)。また、インタビューをする相手や事務所によって反応は様々ですから、いつでも通用する「マニュアル」とは捉えないでください。あくまでも参考程度に!実践は個人責任で!よろしくお願いしますね。
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