東浩紀×菅野薫×廣田周作「データベースが支配する世界で広告はどう形を変えるのか?」

データに注目が集まる今、広告の形はどう変わって行くのか?
広告が捉えるべき「欲望」はどこにあるのか?
作家で思想家の東浩紀氏が、「広告」というテーマに切り込んだ。
電通の菅野薫氏、廣田周作氏と4時間におよんで縦横に語り合ったトークショーのダイジェストをお届けする。

データは「誰かの生きていた痕跡」である

トークショーは東氏がプロデュースする東京・五反田の「ゲンロンカフェ」で行われ、ニコ生でも中継された。

廣田:電通

内でソーシャルリスニングを元に、企業のデジタル領域の戦略策定やソーシャルメディアの活用コンサルティングをしています。東さんとは、2008年の「ゼロアカ道場」(東氏が参加した講談社の新人批評家育成プログラム)で出会って以来のご縁です。2011年に発売された東さんの『一般意思2.0』には、感銘を受けました。「人々の無意識を現代の情報技術を駆使することで可視化し、それを政治に反映することこそが一般意思の実現につながる」…自分もこれを仕事にしたい!と思って、データ解析の仕事をしています。別の言い方をすれば、ネット上に分散している様々な欲求に「意外なつながり」を作るのが僕の仕事です。

東:

「意外なつながり」というのは、どういうことですか?

廣田:

例えば、あるコンシューマーゲーム機の発売キャンペーンで、ネットワーク解析(口コミ構造の分析)をしたところ、公式アカウントの周辺に2ちゃんユーザーやハードコアなゲームファンが集まって、公式の発言を揶揄するという構造になっていました。バズは起こってはいるけれど、周辺にいる多数の潜在ユーザーを巻き込めていない状況だったんです。

東:

なるほど。

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