詳しくは、本誌をご覧ください。
世界を見渡すと、日本ではあまり見られないような驚きのアイデアで人の心を掴み、行動を喚起したプロモーションが数多くあります。マス広告を打たなくても、人は集まる、モノは動く。そんな事例を紹介します。
いつものATMがキラキラ&ギラギラ仕様に!
オーストラリア・ニュージーランド銀行 「GAYTM」(オーストラリア)
ATM画面には「Hello,Gorgeous!」という特別メッセージが表示された。
「GAYTM(ゲイティーエム)」とは、「ゲイ(同性愛者)」と「ATM」をつなげた造語。街中のATMを、LGBT(性的マイノリティ)の象徴であるレインボーカラーやラインストーンをふんだんに使って、“ゲイ仕様”に装飾してしまうというキャンペーンです。

■利用明細書も特別仕様
GAYTMを利用すると、裏面に“cash out and proud(お金と一緒に誇りも引き出そう)”というメッセージが記載された明細書が出てくる。ATM本体だけではなく、細かいところまでゲイ仕様にこだわっている。
オーストラリア・ニュージーランド銀行(ANZ)が、長年にわたってスポンサーを務めるLGBTの祭典「Sydney Gayand Lesbian Mardi Gra(シドニー・ゲイ・アンド・レズビアン・マルディグラ)」の開催期間中に行った企画で、何の変哲もないATMをメディアとして活用することで同イベントを話題化すると共に、LGBTへの理解と支援を訴えました。
キャンペーン期間中にGAYTMを使うと、他行利用手数料が、LGBTを支援するNPO「Twenty 10」に寄付さ
れるという仕組みになっていました。
広告会社のTBWA\Worldwideが手掛けた同キャンペーンは、世界三大広告賞の一つ「カンヌライオンズ 国際クリエイティビティ・フェスティバル」2014のアウトドア部門でグランプリを受賞しました。
