「サービスデザイン」とは、既存のビジネスのリフレーミングを行い、 イノベーションを創出するデザインのアプローチである。

株式会社宣伝会議は、月刊『宣伝会議』60周年を記念し、11月29日にマーケティングに特化した専門誌『100万社のマーケティング』を刊行しました。「デジタル時代の企業と消費者、そして社会の新しい関係づくりを考える」をコンセプトに、理論とケースの2つの柱で企業の規模に関わらず、取り入れられるマーケティング実践の方法論を紹介していく専門誌です。創刊号の記事の一部を、「アドタイ」でも紹介していきます。
詳しくは、本誌をご覧ください。

武山 政直(慶應義塾大学 経済学部 教授)

サービス=顧客×企業の価値共創

サービスをデザインするという考えは、1970年代後半のサービスマーケティングの研究に起源を持つ。

しかし1980年代以降、まずドイツやイタリアの大学で、続いて北欧や米国の大学で、デザイン教育のプログラムの中にサービスデザインが位置づけられたことをきっかけに、新たなデザインアプローチとして世界各国へと広がっていくことになる。

90年代に入ると、イギリスにサービスデザインを専門とするコンサルティング会社が誕生し、企業や公共部門のサービスの改善やイノベーションをサポートする動きが現れ、また大企業のインハウスのデザインセンターの中にも同分野の手法を取り込むケースが見られるようになる。

さらに2004年以降はサービスデザインネットワーク(Service Design Network)と呼ばれる国際機関がサービスデザインのグローバルな普及啓蒙を推進するようになり、2013年には本機関の日本支部の設立に至っている。

現在のところ、サービスデザインの導入や応用に積極的な領域には、デジタル技術を生かしたサービスのエクスペリエンスデザイン、政府や自治体などの公共部門やコミュニティレベルのソーシャルサービスのデザイン、そしてサービス経済におけるビジネスデザインの3つがあり、相互の重なりも徐々に広がりつつある(図1)。

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