「4A」とは、顧客が感じる4つの価値の視点に立って、マーケティングのあり方を大きく捉え直そうという考え方

株式会社宣伝会議は、月刊『宣伝会議』60周年を記念し、11月29日にマーケティングに特化した専門誌『100万社のマーケティング』を刊行しました。「デジタル時代の企業と消費者、そして社会の新しい関係づくりを考える」をコンセプトに、理論とケースの2つの柱で企業の規模に関わらず、取り入れられるマーケティング実践の方法論を紹介していく専門誌です。創刊号の記事の一部を、「アドタイ」でも紹介していきます。
詳しくは、本誌をご覧ください。

小宮路雅博(成城大学 経済学部教授)

「4A」とは、ジャグディッシュN.シェス(米エモリー大学ゴイズエタ・ビジネス・スクール)とラジェンドラS.シソディア(米ベントレー大学)の両教授が、その著書The 4A's of Marketing(邦訳『4A・オブ・マーケティング』同文舘出版刊)において提唱したマーケティングの新しい枠組みであり、顧客が感じる4つの価値の視点に立って、マーケティングのあり方を大きく捉え直そうというものである。

4Aについては、アメリカ・マーケティング界の重鎮であるフィリップ・コトラー教授やデービッド A.アーカー教授を初めとして多くの研究者が、従来のマーケティング体系に対する意欲的なチャレンジと評価しており、4Pに替わる新しい枠組みとして機能するものとの期待を寄せている。

4Aに対する関心は、わが国においても急速に高まりつつあるところである。本稿では、4Aの考え方とその要素、関連する概念について、シェスとシソディアの主張に基づき、そのエッセンスを紹介する。

顧客が感じる4つの価値

4Aは、アクセプタビリティ(Acceptability)、アフォーダビリティ(Affordability)、アクセシビリティ(Accessibility)、アウェアネス(Awareness)の4つの価値要素から構成される。

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