【前回のコラム】「千円札食ってみなさい。」はこちら
先日青山学院大学で講義してきました。
その最後に、今後覚えておくと良いキーワードとして「CSR2.0」の話をしました。
僕が勝手に作った言葉なのですが。
マイケル・ポーター教授の「CSV」とほぼ同じことなのですけど、コピーライターの視点で言うと「CSV」はネーミング的にCSRとつながっていないように見えるのが痛いところです。
概念もちゃんと理解できる人は少なく、今月の宣伝会議のテーマにもなっていてCSV導入企業の事例も出ていますけど、そういう企業でもトップの思いを余所に実際の現場は「ワケワカンネーヨ」状態になっていたりします。
ただもちろん、今後の企業活動の方向性に影響する重要なコンセプトであるのは間違いないでしょう。
僕の教えたポイントはシンプルで、
「内需から社会課題へ」
「寄付から技術へ」
この2つが今後企業として意識すべき方向であると。
CSRから地続きなので「2.0」と表現したわけです。
成熟社会の宿命ですが、少子化などで、今後日本の内需は減る一方。
しかし社会課題は増える一方。
内需ばかりを追うのではなく、社会課題の解決を企業の競争力に結びつければ、安定した成長が期待できる。
また、「売上げの一部を寄付に」的なものだけではいずれ限界と矛盾が出て来ます。
企業イメージが上がると言うが、本当にそんな単純なものか。
それが売上げにどれほど貢献するか、判然としません。
寄付した分利益を落としたり控除を受けるぐらいなら、素直に税金を納める方が国のためじゃないのか、という話にもなる。
それよりも独自技術に結びつけ、その果実を社会と共有することで近江商人「三方良し」の哲学が実践できるはずです。
栃木に「パン・アキモト」というパン屋さんがあって、そこは3年保存できる「パンの缶詰」を販売してます。
そのビジネスモデルがユニークで、災害の備蓄用として企業や自治体に販売してるんですが、2年経ったら新しいのに入れ替えてもらう。
古いのは、NPO通じてアフリカに寄付する。
そういうサイクルを開発したんですね。
元々は神戸の震災時に寄付したパンが半分腐ってしまって、腐らないパンを開発しようというモチベーションから始まった技術・ビジネスモデルです。
僕の言うところの「2.0」の好例です。
「良いコピーをどうやって書くか、ということより先に知っておかないといけない話。」バックナンバー
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