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コラム

「ヴィレッジヴァンガードに学ぶお店づくり~こんなんだってあり~」

ヴィレヴァンの「屋台の焼きそば理論」 猥雑で活気に満ちた空間づくり

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【前回コラム】「カルチャーへの階段~ヴィレヴァンの品揃えについてうんぬん」はこちら

今回は、ヴィレジヴァンガードの空間理論のお話。理論っていうほど大それたものではないのですが、独特の空間づくりは何を意図してやっているのか、そのあたりを今日は解き明かしていきたいと思います。売場づくりやPOPの話も少々交えながら話を進めていきます。前回同様、当社はノウハウや考え方に属人性が強いので個人的な見解が少なからず含まれるかもしれませんがそこはご了承ください。

踊るゆりかもめ線~お台場 民族大移動

入社して少し時が経ち異動の話が来た。アルバイトだってガンガン異動する。下北沢店からお台場店へ異動だ。お台場の観覧車横にあるヴィーナスフォートオープンのタイミングだったと思う。当時、どのタウン誌もお台場を取り上げた。どれを取っても同じ内容に見えるほど、過剰なまでに特集が組まれた。そんな加熱気味のメディアに比例してお客様もまた熱気に溢れていた。お客様はオープンの開門と同時に走ってお店に向かっていらっしゃる。朝早くから並んでいたら走りたくなる気持ちも少しわかる。おそらく福男を決める西宮神社の人たちと同じテンションだったに違いない。おかげで、施設の中にあったコンビニは、お弁当の棚が一瞬にしてすっからかん。なので僕らは、朝に買ったレーズンパン(安くていっぱい入っている)と、たまに店長が買ってくれる缶コーヒーで飢えをしのいでいたわけだ。

当時のお台場店 オープン前 嵐の前の静けさ

当時のお台場店 大混雑で酸素薄め 店員は冬でも半袖

レジの1000本ノックで神業を身につける

緊急事態宣言 SOSを知らせるサイン

ヴィレッジヴァンガードの店内もまた例にもれずごった返していた。イメージで言えば、ラッシュ時の駅のホームレベルの混みようだ。それに対して僕ら店員はだいたい3~4人。店舗面積も非常に大きく中二階もある店舗で明らかに無理があった。たまに、店内で1人になることもあり、そんなタイミングに限って神のイタズラが訪れる。1台しかないレジに、20人は軽く並んでいたが、POPを1枚なぐり書き、おもむろにそれをレジに表示した。「ちょっと、トイレ行ってきます」。その時のお客様には本当に申し訳なく思うが、こちらも重大な一大事に陥っており、優先順位が逆転した瞬間だったのだ。だいぶ経ってしまいましたが、いま改めて謝っておきましょう。ほんとごめんなさい。レジもすごい回数打ち過ぎて商品の値段もほとんど暗記。お客様の手に持っている段階でレジ打ちし、即お会計という神業まで身に付けた。

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