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海賊の旗を掲げたジョブズ
組織に関する考え方については、さまざまな議論があります。
有名なものはまず規模についてです。
軍隊の組織は、少人数のグループ単位から始まり、下士官一人が命令できる人数は150人を超えないようになっています。お互いの顔と名前が一致して、協業できる規模というのは150人が限界というのは、直観的によく理解できます。
また、軍隊組織のルールは命令系統が常にひとつのカスケード式で、上官の指示を忠実に実行することが求められます。そのような組織は役割分担も階級も明確なので仮に上官がいなくなっても、階級に基づいて自動的にリーダーシップが移行するなど、組織運営もルール化されているところが特徴です。
軍隊をベースにした組織スタイルは、いまやまったく流行りませんが、建設業界や製鉄などの重工業の現場では当たり前です。全体が連携して巨大なアウトプットを生み出す産業やビジネスは、規律が重要になりますので、このような軍隊風の組織になりやすいのです。さらに小さなミスが大きな事故につながりやすいため、個人の自由度や創造性というものは二の次といったところです。
軍隊=アーミー、それも海軍=ネイヴィーがキライ、と公言してはばからなかったのがスティーブ・ジョブズでした。彼は規律を重んじるよりは、創造性やリスクを取ることの勇気をアップルの企業文化として奨励して、社内でも海賊の旗を掲げていたのは有名な話です。
