企業を変えた「売れ続ける仕組み」
成熟化したと言われる環境下でも、新たな顧客を創造し、市場を創る経営トップがいます。そして、そこには瞬間的に売れるだけでなく、売れ続けるための全社を挙げた取り組み、さらには仕組み化があります。商品戦略、価格戦略、流通・販路戦略、プロモーション戦略に着目し、売れるためのアイデア、仕組みを解説・紹介していきます。
【企業を変えた「売れ続ける仕組み」】
・商品訴求と企業ブランディングで進める大麦市場活性化
・小ロット販売でB2BからB2Cへ顧客が拡大〜タイセイ
・ネットでデザイナーズ家具を販売 絞り込むことが逆に人を集めた「リグナ」
スピングルカンパニーのここがポイント!
- 海外メーカーや国内大手メーカーが使いにくい皮革素材や、熟練の技術者なしには実現できない加工で、独自性の
高い商品づくりに取り組む。 - 国内で高付加価値商品をつくるという、他社がやってこなかった領域を突き詰めてきた。
- 国内に工場を持つことで、顧客のニーズに素早く・柔軟に応えるものづくりができる。小回りの利く商品開発体制が、他社にない価値を生んでいる。
“モノマネ”ではないものづくり

職人気質あふれる街、広島県府中市に本拠地を置く靴メーカー、スピングルカンパニー。海外大手メーカーが圧倒的な強さを見せるスニーカー市場で、国内生産にこだわり、時間や手間のかかる伝統的な製法で、オリジナリティあるデザインの靴を生み出すことをポリシーとしている。
同社の商品ラインアップは、3つのブランドで構成される。2002年にローンチしたレザースニーカーブランドの「スピングルムーヴ」、女性向けの「スピングルニーマ」、そしてビジネスシューズの「スピングルビズ」。
中でも同社の靴づくりを特徴づけるブランドは「スピングルムーヴ」だろう。カンガルーをはじめ、牛、馬、豚、ラクダ、ゴート、シープ、クロコダイルなど多様なレザー素材を使うスニーカーは、国内外を見渡しても他に類を見ない。