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カルビー、森と企業と消費者をつなぐ——EVIで始まる身近な環境貢献

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地域住民のコミュニケーションツールに

環境に貢献できる商品を買いたいと思う消費者、環境に貢献したい企業、クレジットを売りたい森林事業者、3者をつなげ環境貢献型プロモーションを広く行っていくには課題もあった。一つは、全国に散らばる森林事業者と交渉するには時間とコストがかかること。もうひとつは、クレジットが1トン単位の販売となっているため、購入費が膨らんでしまうことだ。

カルネコ事業部では、森林事業者からクレジットを預かり自由にプロモーションできる仕組みを構築。販売については実質金額で購入できるよう、カルビーが代理で買って、小分けして売る方法を提案した。

こうして、環境貢献型プラットフォームEVIが誕生。企業のプロモーションで森林支援のサイクルを身近に感じる社会をつくり、消費者の環境保護への関心を高めるきっかけづくりに成功している。

「例えば、関東圏で古本販売店を経営している企業は、鹿児島への初出店に際し、地域住民の心をつなぐ手段として、このEVIを活用しています」

この企業は、来店人数をカウントし、一人あたり1円を森林支援に使うとルールを設定。出店の際、“ご来店おひとりさま1円を鹿児島の森林支援に”と広告した。関東から出てきた企業が自分たちの地元の環境貢献に尽力している。そのことが、地元民の店に対する親近感を呼び起こすのだ。

EVIは、地域住民、消費者とのコミュニケーションを円滑にするツールとしても有効に活用できる。

環境貢献思考を全国へ

現在、60~70点の環境貢献型商品が、EVIプラットフォームから生まれている。「勉強会やイベントなどを行い、各地でカーボン・オフセット付商品を増やしていこうと、取り組んでいます」

商品の発想は様々だ。リゾート地の公共宿泊施設や公民館などで、電気代やアメニティ購入費、クリーニング代などを節約し、節約した金額をクレジット購入にあてCO2を消し込む、「グリーン&クリーン・リゾート」という企画もあり、長野県立科町が昨年8月から実施している(図2)。

「グリーン&クリーン・リゾートを旅行先として設定し、お客様のお好みでエコ旅行をプランニングできる仕組みなども、今後考えていく予定です。旅行会社がEVIプラットフォームに加わってくれれば、森のクレジットを流通させる新たな可能性が広がると考えています」

消費者の環境貢献意識を高める仕組みとしては、一昨年10月、専用お買いものサイト「森のめぐみのおとりよせ」を立ち上げた。商品を購入すると、1%がクレジット購入にまわるサイトだ。さらに追加したければ10円から金額を選択し、クレジット購入にまわすことができるアドオンボタンがついている(図3)。

商品を購入し、応援金額を決定すると、応援したい森をセレクトできる画面になる。さらに、「生活の中で排出するCO2を消し込もう」という投げかけがあり、クリックするとオフセットや、生活の中でCO2がどう排出されているかなどのガイドを読むことができる。そして、自分がいま購入したクレジットでどれだけのCO2をオフセットできるかが分かり、オフセットした分の証明書も手に入る。

「画面を見ながら遊び感覚でシミュレーションできる機会が増えれば、自分の排出しているCO2やどのくらいでオフセットできるのかが、肌感覚で分かるようになります。すると、節約する気持ちも自然と出てきて、エコにつながると思います」

次ページ 「国の施策が商品開発を後押し」へ続く