「お客さま」ではなくプロジェクトの「パートナー」
そもそも、プロジェクト支援を自ら積極的に呼びかける行動が起きる背景はどのようなことなのか。それについて、松崎氏は「売り手と買い手の関係性の変化が起きている」と指摘する。
「kibidangoは『クラウドファンディング型EC』という位置づけで、寄付型ではなくあくまでプロジェクト参加に対して何かしらの等価交換が行われるようにしています。プロジェクトとして出ているものも、『すでに売っているもの』ではなく、『世の中にまだない商品やサービス、企画』であることが前提です。ECは巨大資本企業によって、より安く・配送が早いなど便利・品ぞろえが豊富、といった価値ばかりが追及・強調される傾向にありました。しかし本来、ショッピングというのは商品・サービスによってはできるまでの時間を待つことや、売り手・作り手とコミュニケーションすることに価値があることもたくさんあるはずです。それに気づいた企業や生活者が増えてきて、顧客との関係性を重視する方向へ揺り戻しが来ていると感じます」(松崎氏)。