【前回のコラム】「編集者として、人と人との狭間を埋めたい(3)」はこちら
若手編集者として、拙い経験のなかから「編集者の仕事」について書かせていただいている本連載。最後は、少し抽象的になってしまうかもしれませんが、編集者として日々心がけていることをお伝えしていきます。
でも書いてきたように、情報やエンタテインメントが氾濫し、人々が様々な経路でそれらを享受する今、単にコンテンツをつくるだけでは伝えたいことを届けることはできません。編集者は、本や雑誌をつくる担当職ではなく、企画を生み、媒介方法を考え、コンテンツをつくり、潜在的な読者に届ける、その道筋をつくってマネタイズもしていく人だと思っています。その過程で、私が意識している(いきたい)ことを考えてみました。
「やりたい」を「やるべき」ことに
企画を考え形にしていく上で意識しているのは、まず自分が1人の読者として、今どんなことを求めているのか、その問題意識を掘り下げていくことです。ただ自分のやりたいことを追求するだけでは、単なる自己満足で終わってしまいビジネスとして成り立ちません。だからこそ、自分の問題意識と時代や世の中、その媒体の色などをすり合わせて、「やりたい」を「やるべき」ことにしていく必要があると思います。