広告はデジタルによって迷惑メールになるか、それとも執事になるか?


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デジタルメディアは広告を迷惑メールにする?

画像提供:Shutterstock

少し前に、東芝のテレビ「REGZA」にTポイントの広告がデフォルトで出現するということが話題になりました。テレビにCMが流れるのは当たり前でも、スクリーンにPCやスマートフォンのようなプッシュ型の広告が出ることについては、視聴者の抵抗があるということでしょう。

たしかにデジタル上の広告は携帯のスパムメールと同様、無断で個人的な領域に足を踏み込んでいるかのような印象を与えます。これはスクリーンを持つデバイスそのものが既にパーソナル化しているという現状を私たちに理解させてくれます。さらに、今後のマーケティングでは、企業がコマーシャルも含めた情報をどう視聴者に届けていくかが重要であるということも示しているように思います。

マーケターは従来、マスの4メディアを中心に、その視聴者や読者に対して広告という枠組みを通してコマーシャルメッセージを伝達してきました。そこにインターネットを通したWebやメールなどのメディアが加わってきたわけですが、広告という枠組みはそのまま踏襲されています。

最近のマーケティングを行う企業側にとっての課題は、情報の受け手であるメディアの視聴者がこの広告を無視したりスキップしたりする傾向が顕著で、従来のような価値が薄れてきているということです。これを補うために企業が行う施策が結果的に広告量を増やすことになり、さらに視聴者から忌避される傾向が強まる、という悪循環に陥っています。

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鈴木健(ニューバランス ジャパン マーケティング部長)
鈴木健(ニューバランス ジャパン マーケティング部長)

1991年広告会社の営業としてスタートし、ナイキジャパンで7年のマーケティング経験を経て2009年にニューバランス ジャパンに入社し現在に至る。ブランドマネジメントおよびPRや広告をはじめデジタル、イベント、店頭を含むマーケティングコミュニケーション全般を担当。

鈴木健(ニューバランス ジャパン マーケティング部長)

1991年広告会社の営業としてスタートし、ナイキジャパンで7年のマーケティング経験を経て2009年にニューバランス ジャパンに入社し現在に至る。ブランドマネジメントおよびPRや広告をはじめデジタル、イベント、店頭を含むマーケティングコミュニケーション全般を担当。

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