職人集団からパートナーへ テクノロジーでおもてなし——ダイイチデンシ

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株式会社宣伝会議は、月刊『宣伝会議』60周年を記念し、2014年11月にマーケティングの専門誌『100万社のマーケティング』を刊行しました。「デジタル時代の企業と消費者、そして社会の新しい関係づくりを考える」をコンセプトに、理論とケースの2つの柱で企業の規模に関わらず、取り入れられるマーケティング実践の方法論を紹介していく専門誌です。記事の一部は、「アドタイ」でも紹介していきます。
第3号(2015年5月27日発売)が好評発売中です!詳しくは、本誌をご覧ください。

成熟化したと言われる環境下でも、新たな顧客を創造し、市場を創る経営トップがいます。そして、そこには瞬間的に売れるだけでなく、売れ続けるための全社を挙げた取り組み、さらには仕組み化があります。商品戦略、価格戦略、流通・販路戦略、プロモーション戦略に着目し、売れるためのアイデア、仕組みを解説・紹介していきます。


中小路通(なかこうじ・たろう)
ダイイチデンシ代表取締役社長
京都府出身、立命館大学卒。広告代理店勤務を経て、2002年に第一電子に入社。2005年に代表取締役に就任。2008年にダイイチデンシに社名変更。2011年には香港第一電子有限公司を設立。J.C.Q.A.認定コーヒーインストラクター検定2級。

「伝える」力で家業を復活

珈琲自動焙煎機「NOVO MARKⅡ」の導入モデル店「tcc」。

「テクノロジーで、おもてなし。」——京都に本社を置く自動装置メーカー・ダイイチデンシは、このような社是を掲げ、高い技術力はもちろんのこと、顧客からの要望・相談への対応力を強みに、電気・機械業界内で独自のポジションを築いてきた。ただ発注されたとおりにモノをつくるだけの、いわゆる“技術屋”から、「こんなことをしたい」「何か面白いことができないか」という顧客の思いを汲み取り、自社が持てる技術を駆使した解決策を提案し、実現するパートナーへの転換。代表取締役社長の中小路通さんは、2005年の就任から10年をかけて、ダイイチデンシのそのような企業風土をつくり上げてきた。

しかし、その過程では、古くから同社に勤めていた職人や、既存の顧客が離れて行った時期もあり、決して平坦な道のりではなかったという。

ダイイチデンシは、生産現場の自動化・省力化を目的とした、制御盤やコンベア、ロボットユニット、各種自動装置の開発・製造を手掛けるエンジニアリング会社。現社長の父・中小路明さんが1966年に創業した「第一電子」が前身で、社内に機械課と電気課の両方を持つ、業界でも珍しい企業だ。中小路さんが家業を継いだのは2002年1月のこと。バブル崩壊後の“平成不況”の真っただ中だった。当時、広告会社で広報・PR業務に携わっていた中小路さんは、初めて家業に触れ、「こんなに優れた技術があるのだから、もっと効果的にアピールすれば、製造業にはまだまだ大きな可能性があるのでは」と感じたという。エンジニアリングの技術を学んで会社に貢献するのではなく、これまで培ってきた「伝える」スキルをさらに磨くことで、第一電子の復活を果たすことを決めた。

オリジナルコーヒーブランド「mani mani kyoto」のアンテナショップ「mani mani北山店」。「NOVO MARKⅡ」で焙煎したコーヒーを販売するほか、店内で淹れたてのコーヒーを飲むこともできる。

次ページ 「Webを制するものは市場を制す」へ続く


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