工場での現場経験が源流に
何よりも現場で働く従業員を重視する佐山氏。その源流は、11年間勤めたメーカーで工場の現場を経験したことにある。
「元々、私は帝人の技術者として愛媛県松山市の工場でポリエステルの重合関連の業務に従事していました。入社してすぐ、3年間、数十人のチームを任され、24時間の3交代勤務を経験しました。現場には、高校を出たばかりの若い人から自分の父親くらいの世代まで幅広い層の様々な人がいて、例えば夜勤では4日間連続で夜12時から朝8時まで働くという三交替勤務を経験しました。こうした経験を通じて、現場で働く人たちが何を考えて仕事しているかを肌で感じられたことは非常に勉強になりました。メーカーであれ、エアラインであれ、現場が一番大事で、そこで働く人を大事にしたいという思いはそこに原点があります」。