本が売れない時代の本屋は何をすべきか

『編集会議』2015年秋号(9/16発売)では、書店という場のあり方を考える「書店会議」を特集しています。本を取り巻く環境が厳しさを増すなか、現役の書店員さんたちは何を思うのか。本誌では、“本の最前線”である書店のあり方について、現役の書店員さんによる座談会を実施。当日の進行役を務めた空犬太郎氏が、本誌の読みどころを紹介します。

(左から)ブックス ルーエの花本武さん、三省堂書店の内田剛さん、増田書店の篠田宏昭さん、書原の上村智士さん。

先日、昼休みに神保町を歩いていたら、知り合いの出版営業氏にばったり会った。しばらく立ち話していたら、今度は知り合いの書店員氏が通りがかり、3人でしばし、すずらん通りの真ん中で立ち話をした。

このご時世、出版業界人が集まって話をするとなれば、楽しい話題になるわけもない。売上が…数字が…云々と、どうしても暗い話になる。最初は3人でため息をついていたのが、あれこれ話しているうちに、出版営業のやり方、注文や配本の部数、このような業界情報を交換・共有できる場の必要性、などなど、だんだん話にも熱が入ってきた。すずらん通りの真ん中で、である(笑)。

ふだん出版や書店をテーマにしたトークイベントを企画主催している身としては、立ち話にしておくのはもったいないぐらいで、この話、どこかでイベントにできないかな、などと途中から考えていたほどだ。それぐらい、偶然出会った知り合い同士の、短時間の立ち話に、おもしろそうなアイデアがたくさん含まれていたのである。

そういえば、つい最近もこれと似たような場に居合わせた。『編集会議』2015秋号に掲載される書店員座談会である。座談会の構成案を作成し、当日の司会進行役を担当した。座談会に参加したのは現役の書店員4名。三省堂書店(神保町)の内田剛さん、ブックス ルーエ(吉祥寺)の花本武さん、書原(阿佐ヶ谷)の上村智士さん、増田書店(国立)の篠田宏昭さん。

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