ユニークかつ効果的なプロモーションを展開する企業のトップに、どのような視点で販促を考え、展開しているのかを聞く。
ツール・ド・フランス人気などでスポーツサイクル市場は拡大
ワイ・インターナショナルは、スポーツサイクル業界で、国内最大の販売シェアを誇る企業。1898年の創業以来、自転車の販売を手掛け、1970年代初めからスポーツサイクルを取り扱い始めた。以降、スポーツサイクル文化を日本に根付かせるため、さまざまなイベントを実施。その精神は企業DNAとして引き継がれ、本部や店舗の主催により多彩なイベントが開催されている。企業のモットーは“自転車の世界を通じて地球を救う”。現在はスポーツサイクル専門店「Y’s Road(ワイズロード)」を35店舗展開、来年3月には京都に新店舗をオープンする。
ワイ・インターナショナルは1898年に創業した老舗の自転車販売会社。現在は、スポーツサイクルの車両本体および関連アイテムやウエアなどを専門に取り扱う店舗「Y's Road(ワイズロード)」を、東京を中心に名古屋や大阪などに35店舗展開している。
自転車のマーケットは、普段の生活で利用されている通常自転車は下降傾向にあるものの、同社が扱っているスポーツサイクルは、ツール・ド・フランスの開催や、スポーツサイクルをテーマにしたアニメ『弱虫ペダル』の人気、健康志向の高まりなどを受けて、徐々に拡大してきている。同社は、800億~1000億円と言われている国内スポーツサイクル市場において、トップの販売シェアを誇る。
同社は経営方針として、店舗に大きな権限を与えている。仕入れや販促施策などは、店舗側の裁量に任されている部分が大きい。そのため店長をはじめ店舗スタッフは、日頃の接客から肌で感じたことを集客や販売促進に活かし、売上につなげていくことができる。
そのひとつとして話題となったのが、昨年、東京・池袋店が実施したアニメ『弱虫ペダル』関連商品の販売コーナー設置だ。道路に面したウィンドウディスプレイには、アニメの登場人物の劇場公開版ポスターとともに、登場人物が乗っていたロードバイクを展示。店内にも、登場人物やアニメ関連のポスターが設置され、アニメ専門店のような演出が行われ、コラボ商品も販売した。スポーツサイクルに関心があったものの始めるきっかけがなかった初心者などに強く訴求するプロモーションとなった。