講演者
- ヤンマー株式会社 アグリ事業本部経営企画部 ブランドマーケティンググループ 部長 三原 真紀子 氏
「宣伝会議サミット2015」が11月19日、ANAインターコンチネンタルホテル東京にて開催され、マーケティング担当者の課題解決に役立つ最新事例や手法を紹介する講演が行われた。本コラムでは、注目企業のキーパーソンによって行われた講演の一部をレポートする。
「伝わらないものは、存在しないものと同じ」を肝に銘じ、ブランドを再構築
ヤンマーは、大阪に本社がある、創業から100年以上続く非上場のファミリー企業です。世界初の小型ディーゼルを完成させ、これをさまざまな作業機に展開しながら発展し、現在の社長・山岡健人が4代目にあたります。
ヤンマーという社名の由来は、豊作の象徴であるトンボの王様 「オニヤンマ」と、創業者である山岡孫吉の名前をかけて命名されたものです。ヤンマーと言えば、おそらく「ヤン坊・マー坊」のことを想起される方が多いのではないでしょうか。
1959年から始まったこの親しみやすい双子のキャラクターが登場する天気予報は、私たちのお客様である農業従事者を中心とする一次産業の皆さんに貢献したいという思いからスタートしました。天気と仕事が非常に密接している仕事ですから。
50年以上前に始めたのですが、弊社のなかでも非常に成功したマーケティング事例の一つではないかと思います。ただし、製品よりも「ヤン坊・マー坊」のほうが有名になってしまった、という大きな悩みもありました。またヤンマーは、農業機械だけでなく、欧州、南北アメリカ、オセアニアといった地域で、ヨットエンジンのトップシェアを誇るマリン事業の強い企業として認知されています。このように、ブランドイメージが統一しないという悩みもありました。要するに、事業のイメージもコーポレートイメージもバラバラ、というのがとても大きな課題だったわけです。
