コピーを書いても書いても、いばらの道。
「おい、誰か筆ペン持ってこいや!ヨタローの赤城にスミ入れっからよ!」
ことわっておくが、ここは、ヤクザの事務所ではなく、広告の制作会社だ。そうだ、不動産以外の広告、お菓子やビール、クルマの…そんな広告がつくりたくて飛び込んだ、夢のフィールドのはずだった。だが、目の前にいるのは、アロハを着た、強面の男。眼光鋭く、睨みつけてくる。東本三郎氏。会社の社長であるその人は、山のように積み上げられた俺のボツコピーを一瞥しながら、
「おい、誰か筆ペン持ってこいや!ヨタローの赤城にスミ入れっからよ!」
ことわっておくが、ここは、ヤクザの事務所ではなく、広告の制作会社だ。そうだ、不動産以外の広告、お菓子やビール、クルマの…そんな広告がつくりたくて飛び込んだ、夢のフィールドのはずだった。だが、目の前にいるのは、アロハを着た、強面の男。眼光鋭く、睨みつけてくる。東本三郎氏。会社の社長であるその人は、山のように積み上げられた俺のボツコピーを一瞥しながら、