【前回コラム】「“CM界の奇才” 山内ケンジさんがソフトバンクの白い犬の選考理由を語る!(ゲスト:山内ケンジさん)【前編】」はこちら
今回の登場人物紹介
※本記事は12月19日放送分の内容をダイジェスト収録したものです。
山内監督の新作映画『友だちのパパが好き』
中村:山内監督の新作映画『友だちのパパが好き』が12月19日の渋谷ユーロスペースを皮切りに全国でも順次公開されます。
権八:『友だちのパパが好き』は2作目ですが、1作目の『ミツコ感覚』も素晴らしかったですよね。面白いけど、ちょっと怖いじゃないですか。サスペンスって言っていいのかな。
山内:ありがとうございます。『ミツコ感覚』をそれだけほめてくれる人はあまりいないですね。
権八:本当ですか? めちゃくちゃ好きです。
山内:権八さんみたいに、『ミツコ感覚』を見れば面白いと思ってくれる人はもっといると思うんですよ。ただ、あまり見られていなくて。これから見てもらいたいですね。
権八:『ミツコ感覚』は『ノルウェイの森』などに出ていた初音映莉子さんが主演で。山内さんのお芝居によく出ている石橋けいさん、奇才の古舘寛治さん。あと、僕は何と言っても三浦俊輔さんが大好きなんですけど、出てくるだけで気持ち悪くて(笑)。ごく普通の住宅地にある姉妹の自宅が舞台で、そこで起きることがいちいちちょっとずつ普通とズレていて。謎の人物、三浦とお姉さんが現れたりね。最終的に謎の人物のまま終わるんですけど、あれは姉妹が描き出した幻影というか。
山内:おー、そうですよ。よくわかりますね。
権八:ああ、やっぱり。見てない人は聞いても何だかわからないと思うんですけど(笑)。そういうことが最後の最後で何となくわかったときにちょっと怖くなるというか。
中村:映画でもそれはメタファーというか裏設定で、最終的に誰もが「そうなんだ」と思うわけではないということですか?
権八:決してわかりやすくそうはなっていなくて。「もしかしたら、こういうことかな」みたいなことすらなくて(笑)。でも、最後の最後にパッと腑に落ちるというか。いや、腑には落ちないんだけど(笑)。あと、いくつか伏線を張るじゃないですか。その伏線を回収しませんよね?
山内:そうですね。
権八:ああいう気持ち悪さがね、たまらない(笑)。全てのことが普通の予想を裏切る形で起きていく。山内さんはストーリーを最初に考えているのか、セリフを書きながらストーリーができていくのか。どっちですか?
山内:後者です。箱書きって書けないんですよ。
権八:箱書きというのは?
山内:要するにプロットです。演劇用語かな。プロットを書いてから。
中村:段落というか、第3章ではここまで進んでみたいな。
山内:そうそう。という風につくってから書いていくタイプではなくて。それは案外できなくて。澤本さんはそっちですか?
澤本:僕は最初に書いたときはプロットを書かないで全部バーッと書いちゃって、長すぎるからそれを切っていくということをしましたね。
山内:じゃあ、やっぱり書きながら考えていく。
澤本:そうですね。偶然書いちゃったら、それでいいやと書いていって。
山内:半分ぐらい書いてから、終わりはこうかな・・・みたいな。
澤本:途中まで終わり方はあまり考えてなかった。
山内:書き方、同じですね。僕は演劇もそうです。
中村:キャラクターが勝手に動き出して、収拾つかなくなっちゃったりしませんか?
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