株式会社宣伝会議は、月刊『宣伝会議』60周年を記念し、2014年11月にマーケティングの専門誌『100万社のマーケティング』を刊行しました。「デジタル時代の企業と消費者、そして社会の新しい関係づくりを考える」をコンセプトに、理論とケースの2つの柱で企業の規模に関わらず、取り入れられるマーケティング実践の方法論を紹介していく専門誌です。記事の一部は、「アドタイ」でも紹介していきます。
第6号(2016年2月27日発売)が好評発売中です!詳しくは、本誌をご覧ください。
小さな組織が消費者に認知され、愛されるための方法は、“正攻法”や“王道”だけではありません。世界のS&M企業が仕掛けた、“小さいからこそできた”マーケティング事例を紹介します。
【1】紙をクルクル丸めると…キャンプに必須のアイテムに!
easy、LA RUTA DEL CAMPING「The Printed Flashlight」 (チリ)
毎年夏になると、多くの家族連れがキャンプを楽しむという南米・チリ。何かと持ち物の多いキャンプだが、慣れている彼らは滅多に忘れ物をしない。とは言え、ついうっかり忘れ物をしてしまうことも……。キッチン用品やバス用品、ガーデニング用品、家具、インテリアなどを中心に取り扱うチリのショッピングサイト「easy」と、キャンプ用品ブランド「LA RUTA DEL CAMPING」は、キャンプ愛好家をターゲットとしたプロモーションにあたり、彼らが忘れがちなアイテムとして「懐中電灯」に目を付けた。忘れ物のせいで、せっかくのキャンプが台無しにならないよう、持ち運びやすくてユニークな「懐中電灯」を、キャンプ用品カタログと一緒にキャンプ場で配布することにしたのだ。
厚紙を折り曲げることで紙に貼りつけられたライトが点灯する仕組みになっており、紙をクルクル丸めると、まるで懐中電灯のような形状になる。厚紙には、URL「LARUTADELCAMPING.CL」を記載。キャンプ好きのチリの人々に寄り添うブランドであるというイメージを訴求することに加えて、ターゲットを効果的にショッピングサイトへと誘引することを狙った。


