リアルタイム × データ で広告の価値が変わる
次に受賞作品について。モバイル領域は特に「リアルタイム×データ」の時代が来ていることを強く感じました。
モバイル部門でグランデを獲得した、迷い犬を探せるアプリ「PEDIGREE FOUND」。同部門でシルバーを受賞した、マクドナルド「MCNOW」(エントリー:TBWA\HAKUHODO)や箱根駅伝「LIVE NEWS FLASH BANNERS」(エントリー:博報堂)は、すべて自動、あるいは人力でバナーを作成してリアルタイムに媒体ネットワークに配信した施策です。
Googleもメディアとして進化していて、以前はできなかったこうした施策が実行できるようになっています。
「MCNOW」は、データを上手く活用してリアルタイム配信した好例です。
単品、セットメニューなど、ごちゃ混ぜになっていたPOSデータの整理した売上データと、地域や時間、気象庁のデータベース、イベントデータなどのオープンデータを組み合わせることによって、「花火大会で売れるハンバーガーメニューは?」など新しい切り口のランキング化を行い、GoogleのGDNへ自動で出稿、配信するフォーマットを実現させています。
バナーって、見ているサイトと関係のない情報が急に表示されて、邪魔になるので嫌いな方も多いと思います。しかし、こうしたテクノロジーの進化によって、そんなバナーが価値ある情報を伝えるものに変わっていくのでは?と個人的に思っています。
また、台湾の中古車ディーラー・KAGULUによるリアルタイム査定も、「リアルタイム×データ」の好例です。トラックに設置されたカメラが横を走る車の車種や見た目を分析して、大まかな査定金額をその場で出してしまうプロモーションです。たぶん社内に査定する人がいて、大まかな金額を表示させているだけだと思いますが、カメラで車種データの判別ができれば、自動で表示することもできなくはないですよね。
今後、5年後か、10年後になるか分からないけれど、どこかのお店でシャツを買ったら、帰宅途中の駅のホームに設置された看板が、購入したシャツに合うネクタイを薦めてくれるかもしれません。アウトドア広告も、こうしたデジタルを絡めた使い方が増えてくるでしょう。
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