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コラム

ビデオコミュニケーションの21世紀〜テレビとネットは交錯せよ!〜

テレビとネットの融合を訴えてきたけど、むしろひっつきすぎて不安になってきた件

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テレビとネットが増幅し合っている・・・

上半分は、テレビのメタデータを生成・分析するエム・データ社のTV Rankというツールで、2月15日から3月末までの「保育園落ちた」を取りあげた番組の数と放送時間数を棒グラフにしたものです。下半分は、ソーシャルメディアの分析で知られるデータセクション社に提供してもらった、「保育園落ちた」を含むツイートの10%件数データです。

先ほど説明した流れがそのままグラフに出ています。面白いのは、最初にブログが世に出て話題になった時のTwitterの山より、後半で国会の野次や、「落ちたの私だ」運動についてテレビが取りあげられた山のほうがずっと大きいことです。確かに最初の話題の元はネットですが、それがテレビによって増幅され様々な出来事をもたらし、それをまたテレビで報じてより話題が大きくなっているのです。

これはもう、テレビとネットが明らかに響きあっています。増幅しあっています。

この事例は、良い例かもしれませんね。保育園が不足していることを、テレビとネットが影響しあうことで世の中に問題提議し、それを人びとの胸に刻み込んだ。保育園をもっと増やさないとダメじゃないか。テレビとネットが力を合わせて、そういう気持ちを定着させたと言えます。
でも、同じことを舛添都知事の一連の騒動でやってみました。その結果がこれです。

※グラフとデータ:エムデータ社のTV Rank、Twitter件数(10%)はデータセクション社

同じように、舛添都知事を取りあげた番組の数を円の連なりで、「舛添」を含むTwitter件数の推移を青い折れ線で表現して重ねてみました。これが驚くほど、ぴったり重なったのです。なにか、テレビとネットが一緒になってひとりの知事を辞職に追い込んだような。いえもちろん、ひとつひとつの出来事を振り返ると、舛添元知事の釈明のまずさ、言い訳のまずさ、何よりいつもあんまり謝らない潔くない態度のせいでしょう。

ただ、これほどきれいにテレビとネットがぴったり重なると、メディアと国民が結託していじめに走ったような、イヤ〜な気持ちが残ります。

ていうかテレビとネット、ひっつきすぎじゃね?

ネットはテレビに対してもう少し、冷静に反応しなくていいの?テレビはネットを気にしすぎて本来自分たちが何を言いたいか忘れちゃってない?そんなことを言いたくなります。

こないだなんか私、某テレビ局の「圧の強い人びとが出てきて激しく議論をする番組」に呼ばれて出演してしまいました。圧の弱い私はほとんどしゃべれなかったのですが、どうして私にお呼びがかかったかというと、ネット上で私がその件について意見を書いていたからです。

この件で誰かしゃべってくれる人いないかと、検索されちゃったんでしょうね。それはもちろん光栄なことでしたが、そんな風にいま、テレビはネットを検索するんです。Twitterをのぞくんです。ヤフトピからネタ探しするんです。

そんなややこしい時代に突入し、いったい我々のコミュニケーションは、どうなっちゃうんでしょう。

それが知りたい方には、いい本が今度でます。『拡張するテレビ 広告と動画とコンテンツビジネスの未来』と題した書籍が宣伝会議から出るんですね。あ、書いたのは私です。えっへっへ。

もっともこれを読めばこれからのコミュニケーションが見えてくるわけもなく、より混とんとしてきちゃうだけかもしれませんが。でも私が書いたので、私はお勧めします。この一年半の連載の集大成です。でも連載を本にしたわけではなくほぼ書き下ろしですよ。

だって毎日のように新しい動きがあるので、新たに書くしかなかったんです。だから新鮮。たぶん5年は鮮度が持つ内容ですよ!いま『絶賛予約受付中!ちなみにまだまだ原稿修正中ですが。