ニュースを制するものは「メディア」を制する
最近、デジタル業界でニュースのキュレーションメディアが隆盛です。
テレビやラジオ、新聞などにとって、ニュースや報道が「メディアとしての顔」であるように、メディアにとってニュースコンテンツは多くのオーディエンスを獲得するために、切り離せない存在だと言えます。
有益な情報をオーディエンスに伝達する、この「ニュースという形式」は、ブランドにとっても価値があるように思います。ニュースをいかにオーディエンスに伝えていくのかということがメディアの発展につながったように、ブランドが消費者に有益な情報をどう伝達していくのかということは、ブランド側が開拓すべき「ニュースの可能性」になっていくと思います。
ソーシャルメディアの発達によって、個人が情報を発信することが容易になった一方で、必ずしもその情報が正しいかどうかは保証しえないところがあります。ただし、そのことで伝統的なメディア発信も含めた「ニュースの価値」が下がることはありません。むしろ、消費者側からの記事への反応がわかるようになったおかげで、ニュースの価値を決める主導権が消費者側に移っていることは疑いがないところです。
これまでの伝統的なニュースは価値の序列が明確で、その順序が情報の重要度を示していました。たとえば、新聞であれば一面、テレビであれば番組冒頭のトップなどで、そのときどきの重要なニュースが取り上げられます。一方で、デジタルメディアではLIKEやシェアなどのアクションが加わることで、メディア側の決めた序列ではないアルゴリズムによって、消費者がニュースを受容するようになりました。
このことで、以前のコラムで取り上げましたが、従来のメディアのモデルとは異なるBuzzFeedのような拡散型メディアが生まれました。アップルやフェイスブック、ツイッターなどが、ニュースを積極的に自らのビジネスに取り入れるようになっているのは、単純にメディアをパートナーとしたコンテンツや事業の拡充を考えているだけでなく、マスメディアがそうであったように「ニュースを制するものはメディアを制す」という状況を理解しているからです。
「マーケティング・ジャーニー ~ビジネスの成長のためにマーケターにイノベーションを~」バックナンバー
- 「タイパ」はどのように活用できるか?顧客の体験価値を高める5つのパフォーマンス(2022/11/16)
- 個人について知らなくても集団の動きは予測できる パーコレーション理論がデータ利活用に規制のある時代にマーケターに与えるヒント(2022/4/04)
- なぜ日本企業は累計3000億ドル以上、「スタチン」の売上を得られなかったのか? 「偽の失敗」を見極めてイノベーションを育む(2022/3/01)
- 日本企業からイノベーションが生まれないのは、「失敗が足りない」から?(2022/2/25)
- 「ノイズ」を避けるために、マーケターが持つべき「統計的思考」と「判断の構造化」(2022/2/18)
- マーケターが知るべき人間の判断にまつわる「ノイズ」と「無知」(2022/2/16)
- ヴァージル・アブロー風“デジタルの現実をここに”-CES2022に新たな解釈(2022/2/08)
- なぜ、シニアよりミレニアルが重視されるのか?-メディアと所得の年齢別「格差」(2021/10/06)
新着CM
-
AD
KDDI
社長 髙橋誠も登壇「KDDI SUMMIT 2023」申し込み受付開始
-
広報
新田ゼラチン「フレイルFREE Project」PR発表会開催 優木まおみがヨガ...
-
クリエイティブ
2年目となる「バレンタインのせいにして。」、浜辺美波さん・吉沢亮さんの動画で自由...
-
クリエイティブ
「鳥肌が立つ、確定申告がある。」、福祉事業ユニット・ヘラルボニーが霞ケ関駅他で企...
-
AD
クリエイティブ
会話の余白を大切に 緩やかにつながり 共創を促す空間 NTTコミュニケーションズ...
-
クリエイティブ
編集部に届いたアイデア年賀状10選\2023/
-
クリエイティブ
そこまで言わなくてもいいのに?またもやツッコミ満載、錦鯉出演「ピルクルミラクルケ...
-
特集
はじめに/あとがき/解説でざっくりわかる 宣伝会議のこの本、どんな本?
-
クリエイティブ
「自由なランドセル選び」を後押し 天使のはね新イメージキャラクターに渡辺直美