商店街が抱える“後継者”問題
東京都内を歩いていて、「すずらん通り」という名前を目にしたことがある人は多いのではないだろうか。それもそのはず、実はこの「すずらん通り」、全国各地に存在し、東京都内だけでも15カ所以上もある。神田神保町を筆頭に、銀座、荻窪などが代表例として挙げられるだろう。
「すずらん」の由来は、神田神保町が大正14年頃にすずらん型の街路灯を付け、商店街が繁盛したことにあやかり、他の街の通りにも付けられるようになったという説が有力だ。
ただ時代が経つにつれ、この都内にある「すずらん通り」の商店街も、全国の商店街と同様に問題を抱えるようになった。その一つが、跡継ぎだ。店主が高齢になるなか、昔ほど繁盛できない店も多く、後継者に引き継がずに店をたたんでしまうケースが増えている。その結果、都内の「すずらん通り」は人通りも多いため、地方のようにシャッター化することはないものの、空き店舗にはさまざまな業態のチェーン店が入る。そして、他の街と比べても、特徴のない画一化した商品街になっていく。
そこで今回、新たに始まったプロジェクトが「東京すずらんブランディング・プロジェクト」だ。立川、銀座、神田、経堂、荻窪の5つのエリアにある商店街からなる「東京すずらん通り連合会」が母体となり、東京都商店街振興組合連合会「広域支援型商店街事業」の助成を受け、すずらん通りの魅力を一緒になって発信していこうという企画だ。