Yahoo!ニュース、SmartNews、東洋経済オンラインが語る「プラットフォーマーとメディアの関係」

情報量の増大やテクノロジーの進歩を背景に、オンラインを通じて情報を読者に届けるプレーヤーとその関係は多様化、複雑化している。コンテンツを作成するメディア各社とそれを届けるプラットフォーマーやキュレーションメディア—。それらをめぐる状況と課題、今後の展望を3人に聞いた。
  • ヤフー Yahoo!ニュース責任者 有吉健郎
  • スマートニュース 執行役員 メディア事業開発担当 藤村厚夫
  • 東洋経済新報社 東洋経済オンライン編集長 山田俊浩
この記事は、10月1日発売の月刊『広報会議』2016年11月号特集記事の抜粋です。全文は本誌で読むことができます。

新たなメディア黄金時代

藤村厚夫(スマートニュース執行役員メディア事業開発担当)
アスキー(当時)で書籍・雑誌編集者、日本アイ・ビー・エムを経て、2000年に技術者向けオンラインメディア「@IT」を立ち上げるべく、アットマーク・アイティを創業。2005年に合併しアイティメディア代表取締役会長。2013年スマートニュースに入社し現職。

藤村:

SmartNews(スマートニュース)は自らコンテンツを生み出すのではなく、人々にコンテンツを適切に届けていくことで付加価値を提供していくビジネスです。社内にライターや編集者を抱えていないので、コンテンツをつくり出す

メディア各社といかに良い関係で協調できるか

が試金石になると考えています。

有吉:

Yahoo!ニュースは今年の7月で20周年を迎えました。開始当初から続けてきたのは、新聞社や通信社などメディア各社と情報提供契約を結んだ上で、皆さんのコンテンツを社内の編集者がYahoo!ニュース トピックスという形で読者に届けることです。

有吉健郎(ヤフー Yahoo!ニュース責任者)
凸版印刷でウェブサービスの企画などに携わったのち、2007年ヤフー入社。Yahoo!みんなの政治のディレクターとして、選挙特集、マニフェストマッチなどを実施。メディア系サービスのディレクションリーダー、Yahoo!ファイナンス責任者を経て、2013年10月から現職。

これまでの歴史の中で、大きな転機がいくつかあります。ひとつが2007年。Yahoo!ニュースの記事下にある「関連記事」の欄について、記事の提供元のサイトに直接リンクで飛べるようにしたことです。我々のようなポータルサイトはそれまで、記事を読むためにアクセスしたユーザーを、すべてサイト内にとどめようとしていました。関連記事から直接リンクを置くことで、その一部を提供元に返していくことを始めたわけです。

もうひとつの転機は2013年のYahoo!ニュースアプリのリニューアルです。以前からYahoo!ニュースのアプリはありましたが、大きく見直しました。遅ればせながらアプリに本格参入したとも言えます。この2つの出来事と、PCからスマートフォンへのシフト、これらがこの20年にあった大きな変化です。

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