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広報・PR担当は黒子? いやいや、もっと自分の仕事を自慢しよう!

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自分にリングネームを! 嫉妬心が成長のエンジンになる

Q:でも、「自分がこんな仕事をした」と声高に言うのはなんだか恥ずかしい感じもしますし、エントリーにはハードルもある気がするのですが、「自慢」したほうがいい理由は何でしょうか。

嶋:それもわかります。でも、自慢したほうが絶対に「得」です。むしろ言わないと「損」すると思います。いい情報って、積極的に情報発信している人のところに集まりますよね。これは真理で、同じように、いい仕事はいい仕事をしている人のところに集まることを僕は確信しています。だから、自分はこんないい仕事をやりました、と表明しないと、いつまでたってもいい仕事に巡り合えないんですよ。

吉宮:確かに、広告の人たちが、自分たちが手がけたものを「作品」として「自慢」しやすい一方で、PRの人たちは、仕事の性質上、どこまでが自分の成果だったのかをアピールしにくいです。まずは、クライアントと共にチームとして取り組んだ、という言い方でもいいと思います。徐々にPRの分野でも、この人と一緒に今よりもっといい仕事がしたい、と指名で声をかける企業や団体が増えてきていると感じているので、今後、声を上げていくことはより大切になっていくと思います。

嶋:エントリーのモチベーションについて、僕自身を振り返ってみると「嫉妬心」もありますね。先人たちの世の中を動かした事例を見ていると、「このアイデアは自分では思いつかない」とか、「この施策の実現力はすごい」といった、羨望と嫉妬を感じるわけです。でも、そこに自分はどこまで食らいつけるのか、戦えるのか、勝てるのか、それを試したいですし、いつか先人たちを超える仕事をしたい、してみせる、と思うことで、成長のエンジンになるんですよね。その指標として、第三者のプロが評価してくれるアワードに出してみる、ということでしょうか。

吉宮:そういう視点は大切ですよね。PR活動の目指しているゴールと現在地を把握し、それをどう近づけるか、あるいはここまででどういう成果が出ているのか、それを見つめ直す契機にしてほしいですよね。アワード受賞をきっかけに、自分の代名詞というか、リングネームがつくかもしれません。嶋さんでいうと、「あの、本屋大賞の…」と紹介されるような感じですね。

嶋:極論を言えば受賞しなくてもいい。エントリーを通して自分の仕事をさらけ出すことそのものが、リングネームをつけるチャンスです。公の場に出ることで他業態の人とも接点ができるし、仕事も融合する。限定的な領域から飛び出すきっかけが生まれます。

若手PRパーソンの中には、本当はもっといろいろなことがやりたいのに、ルーティンの仕事に追われているという人もいるでしょう。でも、年に一つくらいは自分のアイデアが生かされた仕事があるはずです。それを恥ずかしがらず、面倒がらず、出し合うことです。それによって、打開されることもあるかもしれないし、何より、PRの可能性を広げたいと思っている「同志がいる」ということに気づくだけでも「勇気」が持てると思います。

吉宮: PRアワードは、企業の壁を越えて、そういった存在に気づくきっかけにもなりますよね。

PRアワードは自分に代名詞をつけるひとつの機会として捉えればいい。そして、企業や団体に属するさまざまな人が、業種や部門の壁を越え、PRの可能性や同志の存在に気づくためのチャンスにもなる。

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