マーケティングというポジションが確立されていない日本企業において、キャリアの構築や職能の生かし方に悩みを抱えているマーケターは多い。あらゆる市場が縮小傾向にある今、継続して成果を出していくことの難易度は高く、どう自身の価値を高めていけばいいのか、若いマーケターにとっては切実な問題だ。ここ1~2年で転職を経験したトップマーケター4人が、これからのキャリアデザインについて議論する。
※本記事は、『宣伝会議』2017年2月号の巻頭特集「デジタルでイノベーション!!時代を拓く45社のブランド構想」の一部を抜粋したものです。全文、および他の記事は、本誌をご覧ください。
—これまでのキャリアと、転職の理由を教えてください。本間:
花王に研究職として入社し、志願して当時のマルチメディア部門に社内転職。その後、インターネットに詳しいという理由から、WEBマーケティングを任せてもらいました。アビームコンサルティングに転職したのは、自分の担当領域の幅をより広げたいと思ったから。これまでの経験を消費財以外の企業にも生かすと同時に、自分でも学びたいと考えました。
藤原:
元々はカルチュア・コンビニエンス・クラブでTSUTAYAの店舗運営をしていました。CS放送を始めるタイミングで出向し、ビジネスが撤退した後に本社に戻ってECサイトの立ち上げを担当。マーケティングとしてのキャリアを歩みたいという思いもあって、縁あってガシー・レンカーという外資系企業でダイレクトマーケティングを担当してきました。そして直近で化粧品会社の役員に就任し、同時に自分の会社も立ち上げました。
奥谷:
私は良品計画で店舗を経験した後、商品開発を経てWEB事業という立場からマーケティングを担当してきました。オイシックスに移ったのは、ネット企業からオムニチャネルを実現させたいと思ったから。最近のAmazonのリアル店舗オープンなどトレンドを見ていても、その選択は間違っていなかったと思います。本間さんのように学び続けたいという思いもあって、来年から大学の博士課程に入ります。



