音部大輔(資生堂ジャパン株式会社 執行役員)
マーケティングという仕事の具体的な業務をリストアップしていくと、いろいろなものが出てきます。新ブランド導入、新商品開発、デジタル・コミュニケーション開発、クリエイティブ開発、プリントやOOH開発、メディア計画立案、消費者プロモーション立案、価格の設定、パッケージデザイン開発、P/L管理、競争計画、チャネル政策立案、消費者理解など、その種類はとても多様です。
これらの様々な業務や作業、すべての領域に関わってくるのが「戦略」の考え方です。実際、成功しているブランドマネジャーたちはとても戦略的であることが多いですし、戦略的思考を重要な資質とみなしているブランド企業も少なくありません。戦略的になることで、運に頼る要素が減っていき、マーケティングの成功確率はぐっと高くなります。
今回は4回に分けて、3月10日に発売された拙著『
なぜ「戦略」で差がつくのか。 – 戦略思考でマーケティングは強くなる –
』(発行:宣伝会議)から、マーケティングを強くするための戦略の考え方を示してみようと思います。
は、戦略とは「目的達成のために資源利用の指針」であると定義付けました。戦略が必要になるのは目的と資源の限界があるときだからです。今回は、「目的達成のための資源利用の指針」があるとなにがいいのか、議論を進めていきましょう。
