日本のアドテク市場成長の鍵は、ラストクリック偏重からの脱却 — The Trade Desk CEO

広告会社を対象にDSPを提供しているThe Trade Desk。2009年に米国で設立され、現在は米国内9拠点に加え、世界11都市にオフィスを構える。日本市場には2014年に参入し、今年で4年目を迎えた。欧米諸国と比較した際の日本のデジタル広告の課題と、それを踏まえた同社の今後の戦略について、創設者/CEOのJeff Green氏に聞いた。

Jeff Green氏 CEO/創設者
2009年にThe Trade Deskを創設。バイサイドの技術に重点を置くことで、50億ドル規模のRTB業界において、同社を最も急成長を遂げる企業の一つへと成長させた。Facebook Exchangeの開始時には初期パートナーとなり、最近ではAlwaysOnのトップ・グローバル企業250社および、OnMediaの米国トップ100企業の一つに選出された。

—他のDSP事業者にはない、The Trade Deskの独自性・強みとは。

世界各国のDSP事業者との違いは、大きく5つあると考えています。

一つは、“客観的”であるということです。メディアを保有する企業が提供するDSPは、配信先として自社メディアが優先されるきらいがあります。しかしThe Trade Deskは特定のメディアを持たないため、あらゆるメディアを視野に入れ、最適な配信先を選び取ることができます。幅広いメディアとパートナーシップを結ぶことができる中立的な立ち位置も強みです。

二つ目は、広告エージェンシーと敵対的な関係にないということ。当社は、既存のエージェンシーに取って代わる存在になろうとしているのではなく、エージェンシーとパートナーシップを結び、彼らがデジタル世界へとビジネスを広げるためのサポートをしたいと考えています。

三つ目は、グローバルであること。米シンシナティに本社を置くP&Gにしても、日本に本社を置くトヨタ自動車にしても、ビッグブランドは数百カ国で広告を展開したいと考えています。しかし、そのために数百ものテクノロジープラットフォームを使い分けたいとは考えていません。当社は世界各国のメディア環境に合わせてカスタマイズしたプラットフォームを提供するとともに、世界20都市以上にオフィスを構え、ブランド広告主をサポートしています。

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