「目的」と「戦略」を示すことで期待以上の結果が得られる
伊東:
P&Gでは昔も今も変わらず、「目的は何か」が合言葉です。目的をどう定義するか、徹底的に突き詰めるのが基本作法。そこから、勝つためにどんな戦略を選ぶかというところに音部さんのユニークネスがありました。
—本書では、戦略の成否の鍵は「目的の設定」にあると説いています。P&Gでは、なぜ「目的」を大切にしているのでしょうか。伊東:
P&Gは、ブランドマネジメントシステムを発明した企業であり、最小の経営単位を各ブランドとし、そのオーナーをブランドマネージャーとしています。つまり、組織体制上は「下から2番目」の役職者が、すべての戦略と結果に責任を持つのです。そこでは、職位の壁を超えて自分の考えるプランを説明し、説得する必要に迫られることが少なくない。