日本テレビで2016年10月期に放送された「地味にスゴイ!校閲ガール・河野悦子」は、女優の石原さとみが扮する校閲者を主人公にした連続テレビドラマ。世帯視聴率・平均12.4%(ビデオリサーチ調べ・関東地区)という好視聴率を記録し、9月下旬にはスペシャルドラマも放映されている。その番組の初回放送前に品川駅イベントスペースで行われたプロモーションは、4日間で約3万7000人が訪れるなど、大きな話題を呼んだ。企画の仕掛け人たちに、その狙いや効果について話を聞いた。
「地味にスゴイ!番宣」と題したプロモーション企画
品川駅イベントスペースに展示されたのは、ドラマの主人公である校閲者のシンボル“赤鉛筆”だ。しかし、ただの赤鉛筆ではなく、鉛筆彫刻家の山崎利幸氏によって直径6ミリの芯に「番組タイトル」や「キャスト」、「あらすじ」などの番組情報が彫刻された作品になる。
1文字につき3時間、全体で312時間の制作時間を要したという本作品は、InstagramやTwitterなどSNSを中心に情報が拡散され、品川駅利用者を中心に番組への興味喚起に繋がった。
今回の企画は、その場に来ることができない生活者にまで情報が届くように、次の3点を工夫して実施された。
1点目は、展示現場で見た人が写真を撮って拡散したくなる雰囲気をつくることだ。イベントスペースという大きな空間の中に貴重な作品を展示することから、照明やポールパーティション、警備員の配置、案内看板など、まるで美術館のように仕上げた。こうした空間から非日常な体験と驚きが醸成され、広く拡散された要因となった。
2点目は、テレビ番組に出演する俳優にも赤鉛筆アート(現物)を見てもらい、その反応を収めた動画を作成し、日本テレビ公式YouTubeで公開したことだ。


