JAGDA賞発表。20回目の亀倉雄策賞は、中村至男氏に決定。 #ブレーン

JAGDA（日本グラフィックデザイナー協会）は、第20回亀倉雄策賞、およびJAGDA賞を発表した。

JAGDA賞は年鑑『Graphic Design in Japan』出品作品の中から、各カテゴリーの高得票作品を対象として数作品を選出するもので、2008年に開始。また、亀倉雄策賞はJAGDAの初代会長を務めた故・亀倉雄策氏。氏の業績をたたえ、グラフィックデザインのさらなる発展をめざして遺族の寄付により設立されたもので、今年で20回目を迎える。本賞は同応募作品の中から、年齢やキャリアを問わず、最も輝いている作品とその制作者に贈られる。

本年度は約1980作品が全国の会員（355名）から出品され、亀倉雄策賞ほか、JAGDA賞10作品を選出。約570作品を入選とした（入選率29％）。

本年度、亀倉雄策賞に選ばれたのは、中村至男氏の作品。2017年1月に開催された自身の個展のための告知および展示用の新作ポスターである。

中村氏はソニー・ミュージックエンタテインメントを経て、 1997年中村至男制作室を設立。近年は銀座メゾンエルメスウィンドウディスプレイ、グッドデザイン賞展覧会のグラフィックデザイン、絵本「どっとこどうぶつえん」、「はかせのふしぎなプール」など、幅広いデザインを手掛けている。

審査では、「テクノロジー寄りのものではなく、非常に人間的な、ナイーブさを持つ“新しさ”がある」「ソフトの使い方や用紙の選択等、あえて破綻を生じさせるような挑発的な手法を取り入れているが、中村至男的ともいうべき世界観が根底にあり、見ていて気持ちの良さを感じる。たとえば、ケーキのみならず、ロウソク、さらに炎までカットするという、独特な“ものの見方”のおもしろさが、多くの人達の共感を得ているように思う」「グラフィックの新しい鉱脈を探り当てた」と評された。

入選作品を収録した年鑑は、編集長・林規章氏、ブックデザイン・田部井美奈氏によって、2018年6月発行の予定。発刊に合わせ、6月より東京ミッドタウン・デザインハブにて、年鑑作品展「日本のグラフィックデザイン2018」も開催する。