「ピザとコーラ」が主流だったシリコンバレーで無糖の緑茶ブームに火を付けた伊藤園の角野賢一氏は、帰国して「ハッカソン」ならぬ「茶ッカソン」の運営に力を入れる。「伊藤園ブランドを輝かせたい」と意気込む角野氏が見据えるものとは。フラクタ代表取締役の河野貴伸氏が聞いた。
10年後も輝けるブランドでありたい
河野:
お茶を飲みながらアイデアを出し議論を深める「茶ッカソン」は、お茶の会社である伊藤園らしいユニークな取り組みですね。企画に至った背景について教えていただけますか。
角野:
私がシリコンバレーに駐在していた2015年に、現地のオープンなコミュニティの考え方に触発されて、河原あずさん(当時ニフティ在籍)と以下のようなことを話しながら、一緒に企画を作りました。「茶会」は500年も前の千利休の時代から開かれていました。そこに参加していた武将たちは、戦や政治から民衆のことに至るまで、きっと様々なことについて話し合っていたはず。それこそ「ハッカソン」のようなことが行われていたのではないかと思ったことがきっかけです。
お茶には4つほどの特性があると考えています。1においしさ,2に健康性、3にコミュニケーションのきっかけ、4に心の健康のサポート効果、といったことです。茶ッカソンに参加した皆さんにこうしたお茶の良さを感じてもらうとともに、伊藤園を身近な存在と思ってもらいたい。「お~いお茶」はこんな人たちがつくっているんだ、ということを知ってもらうことも意味があると考えています。

